研究課題
特別研究員奨励費
温暖化が急速に進む周北極域では、永久凍土融解の植生に対する影響が懸念されている。永久凍土上の森林では低い地温に伴って有機物の分解が遅く、植物にとって非常に貧栄養環境であり、アラスカでは貧栄養環境に適した非常に葉寿命の長いクロトウヒが優占する。一方、林床には常緑低木、落葉低木、多年生草本など、多様な葉寿命の植物群が同所的に生育している。しかし、厳しい永久凍土環境において、こうした植物多様性がどのように維持されているのかは明らかではない。本研究では、各植物群における地上部と地下部を統合した適応戦略を評価することで、永久凍土林における植物多様性維持機構を明らかにすることを目指す。