研究課題
特別研究員奨励費
深海生態系の基礎的な生産力を維持するためには、水産重要種だけでなく底生動物の個体群やその生息場も適切に保全する必要がある。そのためには底生動物が生息場間を自発的に移動できるような「個体群をつなぐ生息場」を維持しなければならない。しかし底生動物の個体群間の移動方法や生息場については完全には理解されておらず、十分な生物の保全策は取られているとは言えない。申請者らの研究により、ヤドカリ共生系が深海における底生動物の「運び手」として、それらの個体群をつないでいる可能性が見出された。本研究でヤドカリの「宿」の中で暮らす動物の遺伝的分化傾向を調べることで、その「運び手」としての役割を明らかにする。