| 研究課題/領域番号 |
24KJ2216
|
| 研究種目 |
特別研究員奨励費
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 国内 |
| 審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
| 研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
星 大輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 特別研究員(PD)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-23 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
| キーワード | 脳血流 / 脳脊髄液 / 呼吸 / 運動 / 加齢 / アスリート |
| 研究開始時の研究の概要 |
脳脊髄液および脳静脈循環は認知症に関わる脳老廃物排出経路として注目されている。これらは「心臓の拍動」と「呼吸に伴う胸腔内圧の変化(呼吸ポンプ作用)」の2つが主な駆動力として働く。特に吸気時には脳静脈血や脳脊髄液の流出を促進させることが明らかとなっている。一方、これまでの研究では「(呼吸器疾患や加齢による) 呼吸ポンプ作用の障害と脳循環の関係性」や、「運動が呼吸ポンプ作用と脳循環に及ぼす影響」を明らかにできていない。本研究は、これらを明らかにすることで、呼吸ポンプ作用低下に由来する認知症発症メカニズムを解明し、認知症発症や認知機能低下の予防法の確立に直結するエビデンスを提供する可能性がある。
|
| 研究実績の概要 |
超高齢社会を迎えた本邦では認知症患者が急増しており、要介護原因の1位となっている。認知症は脳内における脳代謝産物(アミロイドβなど)の蓄積によって発症する。特に脳老廃物排出機能の不全は認知症発症の有力な機序とされている。近年、呼吸時の胸腔内圧の変化が脳老廃物排出に関与することが明らかにされている。そこで本研究は、運動や加齢・疾患に伴う呼吸ポンプと脳血流・脳脊髄液動態の連関に着目し、運動や加齢・疾患が呼吸を介して脳老廃物排出機能にどのように影響を及ぼすか調査する。 これらの背景から、本年度は呼吸機能が高いと考えられる持久性アスリートを対象に、運動習慣と脳循環の関係性を検証した。持久性アスリートと座りがちな対象群の一心拍内脳血流量およびCSF流量は同程度であった。一方、アスリートの高い一回拍出量は大動脈の優れたウィンドケッセル機能を介して、心周期中の血流配分を変え、脳への拍動性を弱めと脳灌流を維持している可能性がある。以上の結果より、運動が中心循環の適応を引き起こし、適切な脳循環を維持していることが示唆された(論文投稿中)。また、2024年度は国際学会(ACSM)および国内学会(運動生理学会)で研究成果を発表した。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
我々のこれまでの実験では、PC-MRIを用いて実際の脳血流および脳脊髄流量を測定してきた。しかし、PC-MRIは時間領域での評価であるため、呼吸や心拍などの周期的な変動が脳血流・CSF動態をどのように駆動しているか明らかにできない。本研究の申請課題1では、周波数領域での評価ができるEdge functional MRI (Edge-fMRI)を用いて、全脳血流およびCSF動態を評価し、そしてMRI信号と完全同期した生体信号(呼吸,心拍)を同時記録した。本年度は、すでに24名の健常若年者、51名の中高齢者、15名の持久性アスリートの測定が完了している。現在、これらのデータを用いて脳血流・CSF動態と呼吸ポンプ作用の連関に対する加齢(若年者vs中高齢者)および運動(アスリートvs健常若年者)の影響を調査している(データ解析中)。さらに呼吸や運動が全脳血流・CSFに及ぼすメカニズムを明らかにするために、呼吸操作中(過換気、低換気、CO2負荷)と自転車運動中の全脳血流・CSF動態を14名の健常若年者を対象に調査した(データ解析中)。また、実験1-2として、中高齢者51名をランダムに運動群とコントロール群の2群に分け、1年間の運動介入による介入実験も開始している。
|
| 今後の研究の推進方策 |
2025年度はこれらの複数の研究に必要なサンプル数の追加とデータ解析、論文執筆を進めていく。また、研究課題2の呼吸器疾患患者を対象とした研究の準備および測定を順次進める。
|