研究課題
特別研究員奨励費
本研究は現生人類がユーラシア大陸広域に拡散した上部旧石器時代初期とその前後の時期の中央アジアにおける適応行動を,石器石材の選択という資源の利用形態から解明することを研究目的とする.対象資料は,カザフスタンの旧石器時代の遺跡から出土した石器資料と,遺跡周辺の石器石材産地から採取した原石である.石器石材を選択する上で,「剥片剥離のしやすい」石器石材は基準の一つになり得る.そしてそれは,目的とする石器の形態およびその製作技術,状態(原石の大きさ,節理面の有無),その石器石材の割れやすさ,の要素から構成されており,本研究ではこれらの属性を客観的に取得していく.