| 研究課題/領域番号 |
24KK0003
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| 研究種目 |
国際共同研究加速基金(海外連携研究)
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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| 研究機関 | 嵯峨美術短期大学 |
研究代表者 |
岩崎 陽子 嵯峨美術短期大学, その他部局等, 准教授 (70424992)
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| 研究分担者 |
廣瀬 浩二郎 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (20342644)
梅村 綾子 名古屋大学, 博物館, 特任助教 (80816265)
PARK HYEBIN 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (80848838)
杉原 百合子 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (90555179)
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| 研究期間 (年度) |
2024-09-09 – 2029-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2028年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2027年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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| キーワード | ミュージアム / インクルーシブ / さわる / 嗅ぐ / 多世代の家 / エイジズム / 嗅覚 / 感覚 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ミュージアムと社会が潜在的に排除している人々を積極的に受け入れていくために、現在の視覚至上に対して五感のバランスを見直すことで、多数者が少数者を取り込むインクルーシブの概念とは異なる新たな仕掛け、システムの構築を行う。こうした福祉的視点と共に、マーケティングの視点も取り入れ、活動を持続可能なものとなす。また芸術実践によって主導される新たな多世代交流を提案し、エイジズムなどの差別問題の解決に資する。
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| 研究実績の概要 |
本年度の研究活動は、国立民族学博物館における研究メンバーの初顔合わせおよび、同館で開催されていた特別展「吟遊詩人の世界」における瞽女の展示鑑賞を契機として開始された。この展示は、視覚障害をもつ人々の語りや音楽の実践を通じて、感覚の多様性に基づく表現文化のあり方を再考する上で示唆に富むものであり、研究の出発点として有意義なものであった。加えて、京都国立近代美術館にて実施されたワークショップ「手だけが知ってる美術館」に参加し、視覚以外の感覚、特に触覚を介した芸術鑑賞の可能性について、現場の実践を通して体験的に考察を行った。その後も、研究メンバー間で継続的にオンライン会議を実施し、国内外のミュージアムにおけるインクルーシブな実践の現状と課題について、事例の共有や方法論の検討を重ねた。また、ドイツにおけるインクルーシブな社会実践の一例として注目される「多世代の家」に関する情報収集を行い、現地訪問に向けた準備を進めた。2025年3月にはベルリンを訪問し、ペルガモン博物館、ボーデ博物館、ドイツ歴史博物館、ハンブルガーバンホフ現代美術館、フンボルトフォーラム、新旧博物館、DDR博物館、科学博物館、旧国立美術館、森鴎外記念館など、多様な博物館施設において、ハード面(施設設備や展示デザイン)およびソフト面(教育普及活動や参加型プログラム)の両面からインクルーシブな取り組みの現地調査を行った。さらに、多世代の家を実際に訪問し、実施されているプログラムの内容や運営形態について詳細な聞き取り調査を実施した。これら一連の調査成果については、帰国後に研究メンバーとオンラインにて意見交換を行い、今後の研究方針の共有と検討を進めた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究課題であった「ミュージアムにおける通常展示の諸感覚バランスに関する調査」および「日本とドイツにおけるエイジズムの実態に関する比較調査」については、文献収集と国内外における具体的事例の収集を通じて、概ね当初の目的を達成することができた。特に、2025年3月に実施したベルリン市内の複数のミュージアムおよび「多世代の家」の訪問調査は、視覚偏重から脱却し、触覚や聴覚を含む多感覚的な展示の実践状況や、それらが高齢者や視覚障害者を含む多様な来館者層に与える影響についての理解を深める上で極めて有意義であった。さらに、現地での調査は、共同研究者による綿密な調整のもと、現場の学芸員やプログラム担当者から直接話を聞く貴重な機会にも恵まれた。こうした現地スタッフとの対話により、展示構成の背景にある理念や、来館者対応における具体的な課題、地域社会との連携状況など、表層的な観察では捉えきれない実態を把握することが可能となった。これにより、研究基盤となる文献資料と実践的事例の双方を確保することができ、次年度以降のより理論的・実証的な展開に向けた基礎が整った。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度における研究課題は、第一に感覚バランスの再構築を志向する先行事例に関する国際的知見の共有、第二にドイツにおける多世代交流の実態調査、そして第三に多感覚的鑑賞を促す展示プログラムの開発と実践である。本年度は、これまで日本国内において実施してきた「さわる展示」や嗅覚アートの実践を、感覚バランス再構築の先行事例として再整理し、ドイツでの展示・紹介を通じて現地研究者・実務者との意見交換を行う予定である。これにより、異なる文化圏における感覚への価値付けや展示設計の手法を比較検討し、国際的な枠組みにおける感覚の再編成の可能性を探る。また、前年度に訪問したベルリン市内の「多世代の家」以外の周辺地域を含めた複数の事例を再調査し、多世代交流の実践とその制度的背景に関する知見を蓄積する。同時に、若年層におけるエイジズムの認識や実態についても新たに焦点を当て、年齢間相互理解を促すための文化的手法を模索する。さらに、多感覚的鑑賞を誘発するためのワークショップや展示プログラムの試作にも取り組み、国内の美術館や教育機関等において試行的に実施することで、理論と実践の往還を可能とする応用的研究の基盤を形成していくことを目指している。
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