研究課題/領域番号 |
25000003
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
数物系科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩佐 義宏 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20184864)
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研究分担者 |
秋光 純 岡山大学, 異分野基礎研究所, 教授 (80013522)
渡邉 正義 (渡邊 正義) 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60158657)
塚崎 敦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50400396)
竹延 大志 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (70343035)
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研究期間 (年度) |
2013 – 2018
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
614,120千円 (直接経費: 472,400千円、間接経費: 141,720千円)
2017年度: 93,600千円 (直接経費: 72,000千円、間接経費: 21,600千円)
2016年度: 93,340千円 (直接経費: 71,800千円、間接経費: 21,540千円)
2015年度: 129,090千円 (直接経費: 99,300千円、間接経費: 29,790千円)
2014年度: 131,300千円 (直接経費: 101,000千円、間接経費: 30,300千円)
2013年度: 166,790千円 (直接経費: 128,300千円、間接経費: 38,490千円)
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キーワード | イオントロニクス / 電気二重層トランジスタ / 電子相制御 / イオン液体・ゲル / 超伝導 / 機能デバイス / 分子線エピタキシー / イオントコニクス / 分子線エビタキシー |
研究実績の概要 |
2018年度は、最終年度の2017年度からの予算繰り越しによって、岩佐グループのみに研究費を配分した。岩佐は、下記の成果を上げた。塚崎と竹延は、独自に研究を継続し、最終年度にふさわしい、意義ある共同研究成果を出版した。 まず岩佐は以下の津3つの成果を上げた。 ①イオントロニクス技術の一つに、単一試料におけるキャリア数制御を通した電子相図の構築があるが、この技術を電子ドープ型銅酸化物に適用し、アンダードープ領域からオーバードープ領域までの電子相図を構築することに成功した。その過程で、超伝導相が立ち上がる近傍で電荷密度波相が発達することを発見した。 ②また、イオントロニクス法による電界誘起超伝導を推進した。電気化学的手法によってイオンをドープした、単一遷移金属ダイカルコゲナイドナノチューブ電界誘起超伝導の研究を進め、超伝導転移温度とナノチューブの直径依存性を明らかにした。また、電界誘起2次元超伝導における、結晶対称性の破れに起因する超伝導の整流性を研究した。超伝導の整流性の特徴的な振る舞いが超伝導ボルテックスの量子的な運動によって理解できるをことを発見した。 ③一方で、分子線エピタキシー法で2次元物質やそのヘテロ構造を作製する手法を確立した。そして、フェルミ準位の異なる2次元物質を積層させた界面では、フェルミ準位の差に依存して電荷移動が生じ、組み合わせによっては元々が絶縁体同士でも高い電気伝導性を示す電荷移動界面を構築可能であることを発見した。 次に塚﨑らは、イオン液体を用いた電気化学エッチングを推進した。2018年度は、岩佐グループとの共同研究を進め、FeSe原子層状態の超伝導特性と熱電特性の相関を明らかにした。その結果、原子層おいて、巨大な熱電変換効率を示すことを発見した。実現された熱電電力因子は室温において250μW/cm/K^2、低温の45 Kにおいて250mW/cm/K^2に達した。すなわち、室温以下での熱電電力因子の世界記録をイオントロニクスによって達成できたのである。本研究は2次元物質の隠された性能をイオントロニクスによって引き出した極めて重要な成果である。 竹延らは、電解質を用いた発光素子をGaN、有機高分子、遷移金属ダイカルコゲナイド単層膜などで実現した。加えて、グラファイト、有機高分子のフィリング制御し、熱電変換特性を明らかにした。電解質を用いつつ、大面積で将来的に集積化可能な集積化可能なインバータの作製にも成功している。
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評価記号 |
検証結果 (区分)
A
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評価記号 |
評価結果 (区分)
A: 当初目標に向けて順調に研究が進展しており、期待どおりの成果が見込まれる
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