磁性遷移金属ナノ構造における巨大磁気異方性と保磁力機構の解明

• 研究課題/領域番号: 25287077
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 物性Ⅰ
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 中川 剛志 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (80353431)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円); 2015年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円); 2014年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円); 2013年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
• キーワード: 表面 / 磁性 / 磁気異方性 / 磁気円二色性 / 走査トンネル顕微鏡 / 保磁力 / 表面磁性 / X線磁気円二色性 / ナノ磁性 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / スピンエレクトロニクス

研究成果の概要

磁気異方性定数とそれに伴う保磁力は磁性材料の性能を左右する物性値である。本研究では磁性遷移金属単原子層ナノ構造の磁気異方性と保磁力を極限まで高めることを目指し、重金属表面上での鉄、コバルト超薄膜の磁性を研究した。W(112)表面上に鉄およびコバルトを蒸着すると単原子鎖構造が得られた。この原子鎖はバルクの鉄、コバルトに比べ、10～100倍の磁気異方性を示し、3T程度の巨大保磁力を持つ。ナノ構造体、主にナノワイヤの結晶方位を制御することでありふれた3ｄ磁性遷移金属単体（Fe、Co）が高い磁気異方性と保磁力を有することを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Structure determination of the ordered (2 × 1) phase of NiSi surface alloy on Ni(111) using low-energy electron diffraction (2015)
  • 著者名/発表者名: Md. Sazzadur Rahman, Md. Amirul Islam, Bidyut Baran Saha, Takeshi Nakagawa and Seigi Mizuno
  • 雑誌名: Jpn. J. Appl. Phys. 巻: 54 ページ: 125701-125701
  • NAID: 210000145862
  • 査読あり
• [雑誌論文] XMCD Study of Anisotropic Magnetism of Fe/W(112) (2015)
  • 著者名/発表者名: K. Yamaguchi, T. Kawashima, S. Mizuno and T. Nakagawa
  • 雑誌名: UVSOR Activity report 2014 巻: 1 ページ: 130-130
  • オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] T. Nakagawa, Y. Higuchi, K. Yamaguchi, S. Mizuno, Y. Takagi and T. Yokoyama (2015)
  • 著者名/発表者名: Magnetism of Oxygen Covered Fe Monolayer on Mo(110)
  • 雑誌名: UVSOR Activity report 2014 巻: 1 ページ: 133-133
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] Magnetic Interactions of Vanadyl Phthalocyanine with Ferromagnetic Iron, Cobalt, and Nickel Surfaces (2014)
  • 著者名/発表者名: Keitaro Eguchi, Yasumasa Takagi, Takeshi Nakagawa, and Toshihiko Yokoyama
  • 雑誌名: Journal of Chemistry C 巻: 118 号: 31 ページ: 17633-17637
  • DOI: 10.1021/jp503851k
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Growth and surface structure analysis of a new SiON single layer on SiC(0001) (2014)
  • 著者名/発表者名: Ryo Kohmatsu, Takeshi Nakagawa, Seigi Mizuno
  • 雑誌名: Surface Science 巻: 628 ページ: 148-152
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Growth of Si on Ag(111) and determination of large commensurate unit cell of high-temperature phase (2014)
  • 著者名/発表者名: Md. Sazzadur Rahman, Takeshi Nakagawa and Seigi Mizuno
  • 雑誌名: Jpn. J. Appl. Phys. 巻: 54 号: 1 ページ: 015502-015502
  • DOI: 10.7567/jjap.54.015502
  • NAID: 210000144703
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Passivating effect of Si(111)-(√<3>×√<3>)Ag and Si_3N_4/Si(111)-(8×8) buffer layers (2013)
  • 著者名/発表者名: K. Eguchi, Y. Takagi, T. Nakagawa and T. Yokoyama
  • 雑誌名: J. Phys.: Conf. Ser. 巻: 430 ページ: 12129-12129
  • DOI: 10.1088/1742-6596/430/1/012129
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular Orientation and Electronic States of Vanadyl Phthalocyanine on Si(111) and Ag(111) Surfaces (2013)
  • 著者名/発表者名: Keitaro Eguchi, Yasumasa Takagi, Takeshi Nakagawa, and Toshihiko Yokoyama
  • 雑誌名: Journal of Physical Chemistry C 巻: 117 号: 44 ページ: 22843-22851
  • DOI: 10.1021/jp406906k
  • 査読あり
• [学会発表] BCC(112)基板上 Fe および Co の表面構造解析と磁性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 髙村優、山口功介、水野清義、中川剛志
  • 学会等名: 日本物理学会 九州支部
  • 発表場所: 九州工業大学（福岡・北九州市）
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] 竹嶋祐城、川島智幸、水野清義、中川剛志 (2015)
  • 著者名/発表者名: 髙村優、山口功介、水野清義、中川剛志
  • 学会等名: 日本物理学会 九州支部
  • 発表場所: 九州工業大学（福岡・北九州市）
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] Imaging of ferromagnetic ultrathin films using threshold magnetic circular dichroism PEEM (2015)
  • 著者名/発表者名: T. Nakagawa
  • 学会等名: PEEM Workshop6
  • 発表場所: Hunstetten(ドイツ・ヘッセン)
  • 年月日: 2015-11-17
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] W(112)およびMo(112)上のCoの構造解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高村優, 山口功介, 水野清義, 中川剛志
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 関西大学（大阪・吹田市）
  • 年月日: 2015-09-16
• [学会発表] Non-parallel alignment of Co spins on W(110) (2015)
  • 著者名/発表者名: T. Nakagawa, H. Nakano, T. Yokoyama
  • 学会等名: ICMFS2015
  • 発表場所: クラクフ大（ポーランド・クラクフ）
  • 年月日: 2015-07-13
  • 国際学会
• [学会発表] BCC(112)基板上 Fe および Co の表面構造解析と磁性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 髙村優、山口功介、水野清義、中川剛志
  • 学会等名: 九州表面・真空研究会 2015
  • 発表場所: 九州工業大学（福岡・北九州市）
  • 年月日: 2015-06-13
• [学会発表] W(110)上でのワイヤー状に形成した Fe ナノ構造の作製 (2015)
  • 著者名/発表者名: 竹嶋祐城、川島智幸、水野清義、中川剛志
  • 学会等名: 九州表面・真空研究会 2015
  • 発表場所: 九州工業大学（福岡・北九州市）
  • 年月日: 2015-06-13
• [学会発表] 高い保磁力を有するW(112)上鉄原子鎖の研究 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山口功介，川島智幸，中川剛志，水野清義
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 早稲田大学（東京都新宿区）
  • 年月日: 2015-03-21 – 2015-03-25
• [学会発表] 超高真空中におけるSiC(0001)表面上のエピタキシャルSiON薄膜形成 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松尾ともみ，白濱順哉，中川剛志，○水野清義
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 早稲田大学（東京都新宿区）
  • 年月日: 2015-03-21 – 2015-03-25
• [学会発表] W(112)上の鉄原子鎖の構造解析および磁性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山口 功介, 川島 智幸, 中川 剛志, 水野 清義
  • 学会等名: 応用物理学会九州支部
  • 発表場所: 大分大学（大分市）
  • 年月日: 2014-12-06 – 2014-12-07
• [学会発表] Cr探針を用いたスピン偏極STMによるナノ磁性体構造の研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川島智幸、佐藤 稔久, 中川 剛志, 水野 清義
  • 学会等名: 応用物理学会九州支部
  • 発表場所: 大分大学（大分市）
  • 年月日: 2014-12-06 – 2014-12-07
• [学会発表] W(112)上の鉄原子鎖の構造解析および磁性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山口功介，川島智幸，中川剛志，水野清義
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 中部大学(春日井市)
  • 年月日: 2014-09-09 – 2014-09-13
• [学会発表] 巨大保磁力を有するFe/W(110)のX線磁気円二色性による研究
  • 著者名/発表者名: 中川剛志, 高木康多,横山利彦, T. Methfessel, S. Perkert, H.J. Elmers
  • 学会等名: 九州表面・真空研究会 2013
  • 発表場所: 福岡大学
• [学会発表] W(110)基板上Co超薄膜の磁性研究
  • 著者名/発表者名: 中野裕仁、中川剛志、江口敬太郎、 高木康多、横山利彦
  • 学会等名: 日本物理学会秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学
• [学会発表] XMCD/XMLDによるW(110)基板上Co超薄膜の磁性
  • 著者名/発表者名: 中野裕仁、中川剛志、江口敬太郎、 高木康多、横山利彦
  • 学会等名: UVSOR30周年シンポジウム
  • 発表場所: 分子科学研究所
• [学会発表] Energy filtered magnetic circular dichroism PEEM and its adaption to magnetic domain deformation due to hydrogen adsorption
  • 著者名/発表者名: 中川剛志, 横山利彦
  • 学会等名: 9th International Symposium on Atomic Level Characterizationsfor New Materials and Devices '13 （ALC13）
  • 発表場所: シェラトンコナホテル(アメリカ合衆国)
• [学会発表] Huge Magnetic Anisotropy and Coercivity of Iron Nano Structures on W(110) Surfaces
  • 著者名/発表者名: 中川剛志, 中野裕仁、高木康多,横山利彦
  • 学会等名: 9th International Symposium on Atomic Level Characterizationsfor New Materials and Devices '13 （ALC13）
  • 発表場所: シェラトンコナホテル(アメリカ合衆国)
• [学会発表] W(110)基板上における反強磁性コバルト
  • 著者名/発表者名: 中野裕仁、中川剛志、江口敬太郎、 高木康多、横山利彦
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 東海大学
• [学会発表] Mo(110)表面上の鉄単層膜および酸化鉄膜のLEEDによる構造解析
  • 著者名/発表者名: 樋口裕太、山口 功介、水野清義、中川剛志
  • 学会等名: 応用物理学会九州支部講演会
  • 発表場所: 長崎大学
• [学会発表] Fe/Mo(110)のLEEDによる構造決定と磁気特性
  • 著者名/発表者名: 樋口裕太、山口 功介、水野清義、中川剛志
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 東海大学
• [備考] 研究室ホームページ
  • URL: http://www.mm.kyushu-u.ac.jp/lab_01/