配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2014年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2013年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
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研究実績の概要 |
干潮時の底質問に作用する負圧であるサクションが締固め作用をもたらすことによって地形の変化に影響を及ぼすことが現地観測結果より示唆された. こうしたサクションの及ぼす影響を考慮できる, 鉛直2次元Richards方程式と非線形浅水方程式を連成させた数値モデルを開発し, 既往の水理実験で得られた結果との検証を行った. その結果, 水理実験で得られた地下水位および地盤高の変化を概ね再現できるモデルであることが示された. これにより, 今後は底質内部の密度変化が底質のせん断抵抗に及ぼす影響について数値モデルを用いた検討が可能となる. 潮汐および波浪と河川出水が河口デルタにおよぼす影響を評価するための流動一地形連成モデルを開発し, 理想条件下でのモデルの応答特性を調べ, さらに白川河口干潟に数値モデルを適用した際の再現精度について検証した. 現段階では出水後の前置斜面の再現性については十分ではないが, これは鉛直断面のモデルであること, 出水イベントの影響は河川出水量との関係から沖側の土砂濃度として与えていることが主な要因と考えられる. とはいえ, 外力条件を変化させた際の地形への応答については検証可能であり, 他のモデルと併用しながら総合的な評価を行うに足るものであることが示された. 多摩川河口域の長期モニタリングの結果より, 沿岸部の埋め立て等により地形が改変された内湾域の河口地形については, 主に出水時において河道内澪部の堆積が顕著にみられ, 浅場部における地形変化量は小さいことが確認された. 沿岸域の土砂の移動方向やその供給源に関して, 土砂の物理特性(粒径、歪、分散、円形度、色彩)を用いて, 分析を行った. 沿岸域では粒径が細粒化されることで円形度が増大し, 河川流域では明確な傾向は見られなかった. また, 色彩より鉱物の種類を特定することで効率的に分類が可能になった.
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