エピゲノムの維持と破綻のメカニズム

• 研究課題/領域番号: 25291078
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 遺伝・染色体動態
• 研究機関: 近畿大学 (2014-2015); 九州大学 (2013)
• 研究代表者: 佐渡 敬 近畿大学, 農学部, 教授 (70321601)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円); 2015年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2014年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円); 2013年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
• キーワード: エピジェネティクス / ヘテロクロマチン / 不活性X染色体 / マウス / クロマチン

研究成果の概要

X染色体不活性化の維持機構に異常があると考えられたSmcHD1欠損マウスを用いて，ポリコーム群タンパク質とは独立したエピジェネティック制御の維持機構について検討することを目的とした．当初，SmcHD1は不活性X染色体の維持に関わると考えられていたが，不活性化が一旦確立した細胞で，SmcHD1を破壊しても不活性状態は維持されることを見出した．このことから，SmcHD1は不活性化の「維持」というよりは，それを「維持」するために必要となるエピジェネティック状態の確立する過程で重要な役割を果たしていることが示唆された．

研究成果

• [雑誌論文] A new Xist allele driven by a constitutively active promoter is dominated by Xist locus environment and exhibits the parent-of-origin effects. (2015)
  • 著者名/発表者名: Amakawa Y, Sakata Y, Hoki Y, Arata S, Shioda S, Fukagawa T, Sasaki H, Sado T.
  • 雑誌名: Development. 巻: 142 ページ: 4299-4308
  • DOI: 10.1242/dev.128819
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] An Xist Activating Antisense RNA Required for X-chromosome Inactivation. (2015)
  • 著者名/発表者名: Sarkar, M., Gayen, S., Kumar, S., Maclary, E., Buttigieg, E., Hinten, M., Kumari, A., Harris, C., Sado, T., and *Kalantry, S.
  • 雑誌名: Nature comm. 巻: 6 号: 1 ページ: 8564-8564
  • DOI: 10.1038/ncomms9564
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Current view of the potential roles of proteins enriched on the inactive X chromosome (2014)
  • 著者名/発表者名: Nakajima, T., Sado, T.
  • 雑誌名: Genes & Genetic Systems 巻: 89 号: 4 ページ: 151-157
  • DOI: 10.1266/ggs.89.151
  • NAID: 130004750052
  • ISSN: 1341-7568, 1880-5779
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] X Chromosome Reactivation Dynamics Reveal Stages of Reprogramming to Pluripotency (2014)
  • 著者名/発表者名: Pasque, V., Tchieu, J., Karnik, R., Uyeda, M., Dimashkie, M.S., Case, D., Papp, B., Bonora, G., Patel, S., Ho, R., Schmidt, R., McKee, R., Sado, T., Tada, T., Meissner, A. and Plath, K.
  • 雑誌名: Cell 巻: 159 号: 7 ページ: 1681-1697
  • DOI: 10.1016/j.cell.2014.11.040
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Histone variants enriched in oocytes enhance reprogramming to induced pluripotent stem cells (2014)
  • 著者名/発表者名: Shinagawa T, Takagi T, Tsukamoto D, Tomaru C, Huynh LM, Sivaraman P, Kumarevel T, Inoue K, Nakato R, Katou Y, Sado T, Takahashi S, Ogura A, Shirahige K, Ishii S
  • 雑誌名: Cell Stem Cell 巻: 14(2) 号: 2 ページ: 217-227
  • DOI: 10.1016/j.stem.2013.12.015
  • 査読あり
• [雑誌論文] The CENP-O complex requirement varies among different cell types. (2014)
  • 著者名/発表者名: Kagawa, N., Hori, T., Hoki, Y., Hosoya, O., Tsutsui, K., Saga, Y., Sado, T., and *Fukagawa, T.
  • 雑誌名: Chrom. Research 巻: in press 号: 3 ページ: 293-303
  • DOI: 10.1007/s10577-014-9404-1
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Species-specific differences in X chromosome inactivation in mammals (2013)
  • 著者名/発表者名: Sado T, Sakaguchi T
  • 雑誌名: Reproduction 巻: 146(4) 号: 4 ページ: R131-R139
  • DOI: 10.1530/rep-13-0173
  • 査読あり
• [学会発表] 哺乳類Ｘ染色体のエピジェネティクス (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐渡 敬
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-12-01
  • 招待講演
• [学会発表] SmcHD1機能欠損マウス胚におけるX染色体不活性化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 榊原 祐樹，佐々木 裕之，Blewitt Marnie，佐渡 敬
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] Xist RNAの核内係留因子を探索する系の確立 (2015)
  • 著者名/発表者名: 千木 雄太，佐々木 裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] 部分的機能欠損Xistアレルからの発現様式の組織差 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中島達郎，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] アリル特異的ChIP-seq法によるマウス不活性化X染色体のクロマチン動態の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 長尾 恒治，榊原 祐樹，柴田 幸子，野澤 竜介，坂口 武久，木村 宏，佐渡 敬，小布施 力史
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-12-01
  • 招待講演
• [学会発表] 胚性幹細胞における単アレル性発現遺伝子の由来とその転写制御 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大石 裕晃，鵜木 元香，福田 渓，堀 恭平，前之原 章司，千葉 初音，佐渡 敬，佐々木 裕之
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] SmcHD1機能欠損マウス胚における X染色体不活性化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 榊原祐樹，Blewitt Marnie，佐々 木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第87回大会
  • 発表場所: 宮城県仙台市(東北大学）
  • 年月日: 2015-09-24
• [学会発表] 部分的機能欠損Xist アレルによるX染 色体不活性化の異常 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中島達郎，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第87回大会
  • 発表場所: 宮城県仙台市(東北大学）
  • 年月日: 2015-09-24
• [学会発表] マウス着床前胚におけるXist の差次的発現 (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐渡 敬，酒田祐佳，尼川裕 子，保木裕子，深川竜郎，佐々 木裕之
  • 学会等名: 日本遺伝学会第87回大会
  • 発表場所: 宮城県仙台市(東北大学）
  • 年月日: 2015-09-24
• [学会発表] 部分的機能欠損Xistアレルからの発現様式の組織差 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中島達郎，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第9回日本エピジェネティクス研究会
  • 発表場所: 東京都千代田区(学術総合センター）
  • 年月日: 2015-05-25
• [学会発表] 機能欠損型Xist RNAによって構築される偽ヘテロクロマチン (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐渡 敬
  • 学会等名: 第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学大会 合同年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市（神戸ポートアイランド)
  • 年月日: 2015-04-01
  • 招待講演
• [学会発表] アリル特異的ChIP-seq法によるマウス不活性X染色体のクロマチン動態の解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 長尾恒治，柴田幸子，野澤竜介，木村 宏，佐渡 敬，小布施力史
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神奈川（パシフィコ横浜）
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] ZFP57による単アレル性遺伝子発現の制御機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大石裕晃，鵜木元香，福田 渓，佐渡 敬，佐々木裕之
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神奈川（パシフィコ横浜）
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] ほ乳類X染色体のヘテロクロマチン化機構の理解へ向けて (2014)
  • 著者名/発表者名: 佐渡 敬
  • 学会等名: 第1回北陸エピジェネティクス研究会
  • 発表場所: 石川（金沢大学）
  • 年月日: 2014-11-18
  • 招待講演
• [学会発表] 変異Xist RNAがつくるヘテロクロマチン様構造の詳細 (2014)
  • 著者名/発表者名: 酒田祐佳，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: ークショップ「マウス遺伝学が牽引する最先端生命科学」，日本遺伝学会第86回大会
  • 発表場所: 滋賀（長浜バイオ大学）
  • 年月日: 2014-09-19
  • 招待講演
• [学会発表] Xist RNAの核内係留に寄与する領域の探索 (2014)
  • 著者名/発表者名: 千木雄太，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第86回大会
  • 発表場所: 滋賀（長浜バイオ大学）
  • 年月日: 2014-09-17 – 2014-09-19
• [学会発表] 部分的機能欠損XistアレルによるX染色体不活性化の異常 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中島達郎，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第86回大会
  • 発表場所: 滋賀（長浜バイオ大学）
  • 年月日: 2014-09-17 – 2014-09-19
• [学会発表] SmcHD1機能欠損マウス胚におけるX染色体不活性化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 榊原祐樹，佐々木裕之，Marnie Blewitt，佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第86回大会
  • 発表場所: 滋賀（長浜バイオ大学）
  • 年月日: 2014-09-17 – 2014-09-19
• [学会発表] ZFP57による単アレル性遺伝子発現の制御機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大石裕晃，鵜木元香，福田 渓，佐渡 敬，佐々木裕之
  • 学会等名: 日本遺伝学会第86回大会
  • 発表場所: 滋賀（長浜バイオ大学）
  • 年月日: 2014-09-17 – 2014-09-19
• [学会発表] 部分的機能欠損XistアレルによるX染色体不活性化の異常 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中島達郎，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第8回日本エピジェネティクス研究会年会
  • 発表場所: 東京（東京大学）
  • 年月日: 2014-05-25 – 2014-05-27
• [学会発表] 変異Xist RNAがもたらすX染色体クロマチンドメインの変化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 酒田祐佳，保木裕子，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第8回日本エピジェネティクス研究会年会
  • 発表場所: 東京（東京大学）
  • 年月日: 2014-05-25 – 2014-05-27
• [学会発表] Xist RNAの輸送制御機構解明へ向けた系の確立 (2014)
  • 著者名/発表者名: 千木雄太，佐々木裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第8回日本エピジェネティクス研究会年会
  • 発表場所: 東京（東京大学）
  • 年月日: 2014-05-25 – 2014-05-27
• [学会発表] ヒトおよびマウスにおける不活性X染色体凝縮機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小布施力史，長尾恒治，野澤竜介，磯部真也，佐渡 敬，木村 宏
  • 学会等名: 第8回日本エピジェネティクス研究会年会
  • 発表場所: 東京（東京大学)
  • 年月日: 2014-05-25 – 2014-05-27
• [学会発表] マウスES細胞においてZfp57が単アレル性遺伝子発現制御に果たす役割の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大石裕晃，鵜木元香，福田 渓，前之原章司，伊川正人，佐渡 敬，佐々木裕之
  • 学会等名: 第8回日本エピジェネティクス研究会年会
  • 発表場所: 東京（東京大学）
  • 年月日: 2014-05-25 – 2014-05-27
• [学会発表] SmcHD1機能欠損マウス胚におけるX染色体不活性化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 榊原祐樹，佐々木裕之，Marnie Blewitt，佐渡 敬
  • 学会等名: 第8回日本エピジェネティクス研究会年会
  • 発表場所: 東京（東京大学）
  • 年月日: 2014-05-25
• [学会発表] 変異Xist RNAによる不活性化クロマチンドメインの形成 (2013)
  • 著者名/発表者名: 酒田祐佳
  • 学会等名: エピジェネティクス研究会
  • 発表場所: 奈良
• [学会発表] 機能欠損を持つXist RNAは不活性X染色体のCpGメチル化を正常に構築できない (2013)
  • 著者名/発表者名: 中島達郎
  • 学会等名: エピジェネティクス研究会
  • 発表場所: 奈良
• [学会発表] Xist RNA の5'領域の配列はRNA を核内に保持させる (2013)
  • 著者名/発表者名: 千木 雄太, 佐々木 裕之, 佐渡 敬
  • 学会等名: 第15回日本RNA学会
  • 発表場所: 松山
• [学会発表] 変異Xist RNAがもたらすX染色体クロ マチンドメインの変化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 酒田 祐佳、保木 裕子、佐々木 裕之、 佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第85回大会
  • 発表場所: 神奈川
• [学会発表] 部分的機能欠損Xist RNAによるエピ ジェネティック制御異常 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中島 達郎、保木 裕子、 佐々木 裕之、佐渡 敬
  • 学会等名: 日本遺伝学会第85回大会
  • 発表場所: 神奈川
• [学会発表] Silent chromatin domain formed by Xist RNA defective in silencing in the mouse embryo (2013)
  • 著者名/発表者名: Yuka Sakata, Yuko Hoki, Hiroyuki Sasaki, and Takashi Sado
  • 学会等名: Riboclub 2013
  • 発表場所: Quebec
• [学会発表] Defects in epigenetic regulation caused by partially dysfunctional Xist RNA (2013)
  • 著者名/発表者名: Tatsuro Nakajima, Yuko Hoki, Hiroyuki Sasaki and Takashi Sado
  • 学会等名: Riboclub 2013
  • 発表場所: Quebec
• [学会発表] A new Xist allele driven by a constitutively active promoter: implications for the asymmetric expression of Xist in preimplantation mouse embryos (2013)
  • 著者名/発表者名: Yuko Amakawa, Yuka Sakata, Yuko Hoki, Tatsuo Fukagawa, Hiroyuki Sasaki, and Takashi Sado
  • 学会等名: Riboclub 2013
  • 発表場所: Quebec
• [学会発表] 哺乳類X 染色体のエピジェネティクス (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐渡 敬
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 兵庫
  • 招待講演
• [学会発表] アリル特異的ChIP-seq 法によるマウス不活性化X 染色体の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 長尾 恒治，柴田 幸子，野澤 竜介，奥田 将旭，木村 宏，佐渡 敬，小布施 力 史
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 兵庫
• [学会発表] SmcHD1機能欠損マウス胚におけるX 染色体不活性化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 榊原 祐樹，佐々木 裕之，佐渡 敬
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 兵庫
• [学会発表] Cloning and molecular characterization of a mouse homolog of HBiX1 (2013)
  • 著者名/発表者名: Takehisa Sakaguchi, Yuko Hoki, Chikashi Obuse, Takashi Sado
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 兵庫