自家不和合性の進化における二つの謎：理論的解析とその検証による解明の試み

• 研究課題/領域番号: 25291093
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 酒井 聡樹 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (90272004)
• 研究分担者: 牧 雅之 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (60263985)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円); 2015年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2014年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円); 2013年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
• キーワード: 自家不和合性 / 連鎖 / 識別遺伝子 / 多様性 / S対立遺伝子 / 自家和合性 / 初期進化 / 多様化 / 理論

研究成果の概要

理論的解析により、雄側の識別遺伝子と雌側の識別遺伝子が強く連鎖していなくても自家不和合性が進化することがわかった。雄側の識別遺伝子を持つことに何らかのコストがあるならば、この条件が満たされることもわかった。
S対立遺伝子が多様化する新仮説を提唱した。自家不和合性が不完全な集団を考える。その集団中のあるS対立遺伝子に、自身のペアをより強く拒絶できる変異が出現したとする。自殖をより強く防ぐことができるので、この変異型は広まっていく。この過程は、雄側または雌側どちらか一つだけの突然変異しか必要としない。そのため、こうした変異は比較的起こり易いであろう。これにより、S対立遺伝子が多様化してきた。

研究成果

• [雑誌論文] How have self-incompatibility haplotypes diversified? Generation of new haplotypes during the evolution of self-incompatibility from self-compatibility. (2016)
  • 著者名/発表者名: Satoki Sakai
  • 雑誌名: American Naturalist in press. 巻: 印刷中
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Difference in defense strategy in flower heads and leaves of Asteraceae: multiple species approach (2014)
  • 著者名/発表者名: Oguro, M. and Sakai, S.
  • 雑誌名: Oecologia 巻: 174 ページ: 2727-239
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Initial invasion of gametophytic self-incompatibility alleles in the absence of tight linkage between pollen and pistil S alleles (2014)
  • 著者名/発表者名: Sakai, S. and Wakoh, H.
  • 雑誌名: American Naturalist 巻: 184 ページ: 248-257
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Effects of nutrient contents and defense compounds on herbivory in reproductive organs and leaves of Iris gracilipes (2014)
  • 著者名/発表者名: Onodera, H., Oguro, M., and Sakai, S.
  • 雑誌名: Plant Ecology 巻: 215 ページ: 1025-1035
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Rapid radiation in the Gengduan Mountains region and into Africa with allopolyploidy of Isodon (Lameaceae). (2014)
  • 著者名/発表者名: Yu, X.-Q., Maki, M., Drew, B. T., Paton, A. J., Li, H.-W., Zhao, J.-L., Cornan, J. G. and Li, J.
  • 雑誌名: Molecular Phylogenetics and Evolution 巻: 77 ページ: 183-194
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Relationships between floral morphology and pollinator fauna in insular and mainland populations of Hosta longipes (Liliaceae) (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamada, T. and Maki, M.
  • 雑誌名: Plant Species Biology 巻: 29 ページ: 117-128
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Floral morphology and pollinator fauna characteristics of island and mainland populations of Ligustrum ovalifolium (Oleaceae) (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamada, T. and Maki, M.
  • 雑誌名: Botanical Journal of the Linnean Society 巻: 174 ページ: 489-501
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] 自家不和合性における識別遺伝子の多様化の謎：雌側の変異が鍵か (2015)
  • 著者名/発表者名: 酒井聡樹
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2015-03-15 – 2015-03-20
• [学会発表] オオヤマオダマキにおける自家受粉の役割：操作実験による検証 (2015)
  • 著者名/発表者名: 板垣智之,小黒芳生,酒井聡樹
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2015-03-15 – 2015-03-20
• [学会発表] 自家不和合性における識別遺伝子の多様化の謎：雌側の変異が鍵か (2014)
  • 著者名/発表者名: 酒井聡樹
  • 学会等名: 日本生態学会
  • 発表場所: 広島