研究課題
基盤研究(B)
実験①hES細胞(H9)由来MSCを評価した。細胞はコートなしのdishに播種し、培地はαMEM with 10% serumを使用した。解凍・播種翌日に細胞を回収するプロトコールの場合、細胞回収率が平均64%(n=2)であった。解凍・播種一週間後に細胞を回収するプロトコールでは、細胞回収率は133%(n=1)であり、維持による細胞増殖が認められた。実験②hiPS細胞(201B7)由来MSCを評価した。解凍直後のトリパンブルー染色による生死判定にて、細胞生存率は76%であった。細胞播種については、細胞の接着性を高める為、セルバインド表面処理dishを使用した。培地はαMEM with 10% serumを使用した。解凍・播種翌日に細胞を回収するプロトコールにて、細胞回収率が11%(n=1)と非常に低い結果であった。実験③上記の結果より、卵膜由来MSCとは異なり、特にhiPS細胞由来MSCは細胞操作の影響を強く受ける可能性が示唆された。そのため、移植に向けたhiPS細胞由来MSCの準備として、凍結過程を経ずに分化誘導後の細胞を維持・継代・回収する方法を検討した。細胞の継代においては、セルバインド表面処理dishを使用し、培地はαMEM with 20% serumを使用した。結果として、少なくとも2回の継代が可能であり、継代後に7日維持することで細胞を増殖させることができ、大量の細胞を回収することができた。凍結保存液を用いての凍結ストックを作成することも可能となり、移植に向けた多くのhiPS細胞由来MSCの準備が可能となった。実験④ラット人工心肺モデル(血流量 50ml/分で30分間)でES由来MSC(n=3)、iPS由来MSC(n=2)の移植実験を行った。炎症性サイトカインである血清TNF-αを測定したが、コントロールでも有意な上昇を認めなかった。モデルの再評価を行い、人工心肺の血流量100ml/分、90分間としたところTNF-αの上昇を認めた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Stem Cells and Development
巻: 22(1) 号: 1 ページ: 102-113
10.1089/scd.2012.0127
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