研究課題/領域番号 |
25370295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小林 かおり 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40308820)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国際情報交換(インド、マレーシア) / シェイクスピア / 異文化交流 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、明治の終わりから大正にかけて日本を訪れた欧米西洋人劇団のシェイクスピア上演が、日本の知識人に与えた影響を明らかにすることを目的とする。その際、インド、シンガポールなどの大英帝国諸国を巡業していた西洋人劇団が現地の知識人や人々に与えた影響と比較検討し、19世紀末から20世紀前半にかけての東西の異文化交流の在り方を探る。26年度は日本の知識人の西洋人劇団のシェイクスピア上演の受容を他のアジア諸国と比較して明らかにした。 ①日本でのシェイクスピア上演の受容を他のアジア諸国と比較するために、シンガポール国立大学教授Yong Li Lan氏、マレーシアサインズ大学教授Nurul Low氏に研究の支援をお願いした。Nurul Law氏とは2013年11月ソウル大学で行われた韓国シェイクスピア学会で共同発表を行っている。 ②26年度の研究成果を台湾、インドで発表をした。台湾大学で行われたアジアシェイクスピア学会では“The actors are come hither”: Shakespearean Productions by Traveling Companies in Asia"と題した論文を発表をした。インドではコルカタで行われた8th World Shakespeare Conference and International Seminar on Comparative Literature and Translation Studies: Theory and Praxisとラクナウで行われたWorld Conference on English Studies: A Glocal Perspectiveでそれぞれ発表をした。インドでは、インドで活躍した欧米西洋人劇団の情報を提供してくれる研究者に数人会うことができ、大きな成果があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の内容に記したように、①日本でのシェイクスピア上演の受容を他のアジア諸国と比較するために、シンガポール国立大学教授Yong Li Lan氏、マレーシア国立大学教授Nurul Low氏に研究の支援をお願いした。Nurul Law氏とは2013年11月ソウル大学で行われた韓国シェイクスピア学会で共同発表を行った。 ②また、インドや中国等で発行された英語以外の言語で書かれた論文や上演批評は翻訳が必要である。翻訳はインド・デリー大学教授Poonam Triveridi氏、シンガポール国立大学大学院生Alvin Lin氏、マレーシア国立大学教授Nurul Low氏にお願いしている。 ③26年度の研究成果を台湾、韓国、インドで発表をした。台湾大学で行われたアジアシェイクスピア学会では“The actors are come hither”: Shakespearean Productions by Traveling Companies in Asia"と題した論文を発表をした。インドではコルカタで行われた8th World Shakespeare Conference and International Seminar on Comparative Literature and Translation Studies: Theory and Praxisとラクナウで行われたWorld Conference on English Studies: A Glocal Perspectiveでそれぞれ発表をした。インドでは、インドで活躍した欧米西洋人劇団の情報を提供してくれる研究者に数人会うことができ、大きな成果があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、アジアの研究者と情報交換をする予定である。この成果を2016年英国で行われる国際シェイクスピア学会で発表することが決定している。マレーシア・サインズ大学教授Nurul Law氏、群馬大学教授末松美知子氏、オーストラリア・クィーンズ大学名誉教授Richard Fotheringham氏、バーミンガム大学シェイクスピア研究所所長Michiael Dobson氏とともに、「“The actors are come hither”: Shakespearean Productions by Travelling Companies in the British Empire and Asia 」と題したパネルを企画した。オーガナイザーは小林かおりである。また、この企画を出版する予定である。Palgrave出版が出版する予定となっている。 と同時に、明治期の日本の知識人は西洋文明の鏡としてシェイクスピア劇を導入し、西洋人を「他者」として文化的アイデンティティーを構築していた。しかしながら、日清・日露戦争を経て、台湾、韓国を併合すると、アジアに新たな「他者」を見出し、彼らの西洋文明に対する姿勢は徐々に変わっていく。アジアに「他者」を見出し、日本の知識人の文化的アイデンティティーが変遷していったさまを、彼らの西洋人劇団によるシェイクスピア上演に対する印象の変遷から紐解きたい。
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