研究課題/領域番号 |
25370763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 早苗 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00110693)
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研究分担者 |
遠藤 珠紀 東京大学, 史料編纂所, 助教 (10431800)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大内裏図考証 / 裏松固禅 / 典拠史料 / 寛政内裏 / 故実学 / 典拠史料データベース |
研究実績の概要 |
本研究は、故実家裏松固禅が多量な史料を典拠に、平安宮大内裏を殿舎以下の建築の各部分などの要素に分類し、詳細かつ網羅的に分析復元した故実書『大内裏図考証』を対象とする。『考証』と儀式書の構成の類似性という新たな視点に着目し、まず正編の体裁の分析と典拠史料のデータ化に基づき、『考証』の全体像、固禅の執筆過程や意図などを明らかにすることを目的とする。 研究は固禅が一旦完成形とした『考証』正編(献上本)30巻の体裁についての検討から開始した。彼が『考証』執筆中の1788年に内裏焼亡があり、再建の際に平安内裏の古制の復元について具申した。90年に固禅の説を入れた新造内裏が完成した後、朝廷の命を受け97年『考証』正編30巻50冊を献上した。その後も彼は校訂や続編の執筆を続けるが、いずれも稿本であり、『考証』の構造が明確な本は、現在宮内庁書陵部に所蔵される献上本のみである。 献上本の体裁を分析した結果、項目・史料の高さを変えた配置により、内容における階層を示すとの結論を得た。そこで典拠史料の位置情報を、付載される項目名とその相対的位置により示すこととした。 この方針に基づき史料名・引用年月日等の典拠史料データベースの入力項目を決定し、正編(目録3冊を除く47冊)から入力を行った。その際利用の便宜を考慮し、刊本(『新訂増補故実叢書』)の頁データおよび刊本に収載された続編・内藤広前による追加も収めた。今年度半ばに、総計約16,600件(正編約13,900件、続編約1,800件、追加約900件)のデータ化が完了した。その結果と固禅による稿本の状況・東京大学史料編纂所所蔵裏松家史料の分析などにより、彼が内裏再建直後から『考証』の全体像を見据えて必要な典拠史料の蒐集を本格化し、それらの新収史料を適切に配置して正編を完成させたことを明らかにした。またデータベースは今後公開し学界に資する予定である。
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