研究成果の概要 |
本研究ではフランスにおける「良俗」の概念,「人間の尊厳」の概念をめぐる現状を検討し,日本法への示唆を試みたが,特に代理懐胎等の医療行為を素材とした「人間の尊厳」概念に関する検討が中心となった。フランスの生命倫理法が示す原則には3層の構造があり,「人間の尊厳」という最上位の原理は,同意,無償,匿名という3つの,より具体的な原則によって具体化されているのではないかという見通しを示すことができた。また,日本の公序良俗論の現状,および人権規範の私法に対する影響という問題について,フランス語の論文を公表することもできた。
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