研究課題
基盤研究(C)
地球温暖化によりコメのアミロース含有率は低下し、コシヒカリでは、今世紀中に低アミロース米品種「ミルキクイーン」程度まで低下、粘りが増大すると予想されるため、アミロース含有率低下の防止対策が急務である。担当者らはアミロース含有率が5%程度高まる低アミロース品種「スノーパール」の変異体「ENA」を単離し、この特性がwx遺伝子とは独立な2つの相補的な劣性遺伝子により支配されることを推定している。ENA/ハバタキのF1株にENAを戻し交配した交配後代より、DNAマーカー選抜を用いてWx_spホモ型株のみを選抜した。次に、胚乳の透明度がENA型で、アミロース含有率もENA表現型である株のみを選定した。ENAとハバタキの間で多型を示すSSRマーカーを各染色体あたり2~5を選定し、ENA劣性ホモ型(合計32株)に共通して存在する染色体領域を、SSRーカーから推定したところ、第7染色体長腕及び第4染色体中程のみが候補領域として見出された。また、ENA/スノーパールの正逆交配後代株を栽培し、その種子の透明度とアミロース含有率の評価結果からENA型である判断した21株よりゲノムDNAを抽出・混合、次世代シークセンス解析を行った。ENA/スノーパール間の多型の検出は、MutMap法により行った。すると、33塩基(SNP)、第4染色体には1個のSNPが、第7染色体には4個のSNPがそれぞれ見出された。現在、この遺伝子の特定を行っている。
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