研究課題/領域番号 |
25450078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
河合 成直 岩手大学, 農学部, 教授 (80161264)
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研究分担者 |
我妻 忠雄 山形大学, 農学部, 客員教授 (70007079)
服部 浩之 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (40132857)
青山 正和 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (60150950)
頼 泰樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30503099)
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研究期間 (年度) |
2013 – 2015
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研究課題ステータス |
交付 (2015年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2013年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Na型アルカリ土壌 / 土壌pH / 水溶性有機物 / 腐植 / シオチガヤ / ムギネ酸 / 鉄吸収 / アルカリ耐性 / ソーダ質条件 / 炭酸イオン / Na型塩類土壌 / 耐性植物 / 中国東北部 / イネ科牧草 / 放射性鉄 |
研究実績の概要 |
Na型アルカリ土壌における植物の耐性を検討することを目的として、中国東北部の土壌の性質と植物の耐性機構の一つとしての鉄吸収機構や亜鉛の吸収について検討を行った。 Na型アルカリ土壌のpHは中国東北部を西に行くほど高くなる傾向にあり、10以上の値を示す場合が多かった。Na型アルカリ土壌から0.5M KCI抽出される有機態炭素は、土壌の全有機態炭素の5%以下であった。さらに、0.1 M NaOH・NaPP混液で抽出される腐植酸は全有機態炭素の2~18%、フルボ酸は3~14%と少なかった。全有機態炭素に占める抽出有機態炭素の割合はかなり低く、Na型アルカリ土壌では、腐植は土壌から洗脱されていることが示唆された。抽出された腐植酸は、すべてA型を示し、日本の黒ボク土のA型腐植酸と類似した化学的性状を有していた。 一方、アルカリ不溶性の有機物の大部分は有機・無機複合体を形成して存在しており、その多くが1μm以下の微細な粘土画分に存在していた。この微細な有機・無機複合体は黒色を呈し、また水によって分散されやすいことが認められ、Na型アルカリ土壌における有機物動態と大きく関係していることとが示唆された。 植物の耐性機構の検討のため、シオチガヤの分泌するムギネ酸に着目し、pHが上昇した時(アルカリ条件)と重炭酸イオンが根圏に加えられたときの植物の生育、ムギネ酸の分泌量、さらに、その時の分泌されたムギネ酸の機能について検討した。 その結果、シオチガヤはムギネ酸類を分泌し、ムギネ酸類は、ソーダ質条件下でも分泌があまり抑制されないことが判明した。ムギネ酸は植物の鉄と亜鉛の吸収をソーダ質条件下でも促進することが示された。 以上のように、本研究ではNa型アルカリ土壌の特異な性質の一端を明らかにするとともに、そこに生育できるシオチガヤの栄養特性とFe吸収生理活性物質ムギネ酸の高い分泌能力を明らかにした。
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