研究課題
基盤研究(C)
ウシ体外授精胚及び体細胞核移植胚より樹立したES細胞のキメラ形成能を評価する簡便法を開発するため、ウシES細胞をマウス8細胞期胚に注入/集合して異種間キメラ胚を作出し、発生したキメラ胚におけるウシ細胞の局在を調べた。その結果、ウシ細胞はキメラ胚盤胞のICM のみならずTEにも寄与することが判明した。また、ウシES細胞にTet-onシステムを用いたOct3/4遺伝子発現系を導入することにより、Oct3/4遺伝子の発現を補強すると、ウシES細胞のキメラ寄与率が向上することが判明した。しかし、キメラ胚盤胞を胚移植して得られた6.5dcp胚でもウシ細胞の寄与は認められたが、何れも胚胎外組織に僅かに局在するのみであった。同様の傾向は、キメラ胚盤胞をin vitroでoutgrowthさせた場合にも観察された。さらに、ウシES細胞をキメラ作出に供試する前に、Collagen Type4をコートした培養皿で前培養することにより、キメラ胚盤胞の形成率、寄与率が向上することが判明した。後期発生における動態については未確認である。