大麻主成分の内分泌かく乱：第2のエストロゲン受容体ERβを介した機構とその意義

• 研究課題/領域番号: 25460182
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 環境・衛生系薬学
• 研究機関: 広島国際大学
• 研究代表者: 竹田 修三 広島国際大学, 薬学部, 准教授 (00460379)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2013年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: テトラヒドロカンナビノール / 薬物型大麻草 / 内分泌かく乱 / ERβ / 乳がん / 大麻主成分 / 大麻 / エストロゲン受容体

研究成果の概要

欧米諸国では、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)は医療用大麻としての地位を確立しており、がん患者の嘔吐予防などの目的で使用されている。しかし、Δ9-THCには内分泌かく乱作用があることが示唆されており、その臨床使用には課題が残る。本研究では、Δ9-THCの臨床使用における内分泌かく乱の問題について、これまで謎であった内分泌かく乱のメカニズムを解明し、Δ9-THCの臨床適正使用に向けた予防薬学的基礎研究を実施した。その結果、Δ9-THCは第二のエストロゲン受容体であるERβの発現を増加させ、さらには活性化させることで女性ホルモンの作用をかく乱(=抑制)することが明らかとなった。

研究成果

• [雑誌論文] Fipronil, an insecticide, acts as an anti-estrogen via the concomitant down-regulation of ERα and PES1 (2016)
  • 著者名/発表者名: Okazaki, H., Kohro-Ikeda, E., Takeda, S., Ishii, H., Furuta, E., Matsuo, S., Matsumoto, M., Takiguchi, M., and Aramaki, H.
  • 雑誌名: Fundamental Toxicological Sciences 巻: 3 号: 1 ページ: 33-37
  • DOI: 10.2131/fts.3.33
  • NAID: 130005129242
  • ISSN: 2189-115X
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] HU-210, a synthetic analog of ∆⁹-THC, is not a modifier of estrogen signaling in MCF-7 human breast cancer cells (2016)
  • 著者名/発表者名: Okazaki, H., Takeda, S., Ishii, H., Matsuo, S., Furuta, E., Watanabe, K., and Aramaki
  • 雑誌名: Fundamental Toxicological Sciences 巻: 3 号: 2 ページ: 55-61
  • DOI: 10.2131/fts.3.55
  • NAID: 130005133714
  • ISSN: 2189-115X
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Δ9-THC modulation of fatty acid 2-hydroxylase (FA2H) gene expression: possible involvement of induced levels of PPARα in MDA-MB-231 breast cancer cells. (2014)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S., Ikeda, E., Su, S., Harada, M., Okazaki, H., Yoshioka, Y., Nishimura, H., Ishii, H., Kakizoe, K., Taniguchi, A., Tokuyasu, M., Himeno, T., Watanabe, K., Omiecinski, C.J., and Aramaki, H.
  • 雑誌名: Toxicology 巻: 326 ページ: 18-24
  • DOI: 10.1016/j.tox.2014.09.011
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Down-regulation of cyclooxygenase-2 (COX-2) by cannabidiolic acid in human breast cancer cells (2014)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S., Okazaki, H., Ikeda, E., Abe, S., Yoshioka,Y., Watanabe, K., and Aramaki, H.
  • 雑誌名: Ｔｈｅ Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｔｏｘｉｃｏｌｏｇｉｃａｌ Ｓｃｉｅｎｃｅｓ 巻: 39 号: 5 ページ: 711-716
  • DOI: 10.2131/jts.39.711
  • NAID: 130004690957
  • ISSN: 0388-1350, 1880-3989
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Δ⁹-Tetrahydrocannabinol Targeting Estrogen Receptor Signaling: The Possible Mechanism of Action Coupled with Endocrine Disruption (2014)
  • 著者名/発表者名: Takeda, S.(an invited review)
  • 雑誌名: Ｂｉｏｌｏｇｉｃａｌ ＆ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌ Ｂｕｌｌｅｔｉｎ 巻: 37 号: 9 ページ: 1435-1438
  • DOI: 10.1248/bpb.b14-00226
  • NAID: 130004684788
  • ISSN: 0918-6158, 1347-5215
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 繊維型大麻草主成分カンナビジオールを基盤としたメディシナルケミストリー (2013)
  • 著者名/発表者名: Shuso Takeda (単著)
  • 雑誌名: 薬学雑誌 巻: 133 号: 10 ページ: 1093-1101
  • DOI: 10.1248/yakushi.13-00196
  • NAID: 130004427986
  • ISSN: 0031-6903, 1347-5231
  • 年月日: 2013-10-01
  • 査読あり
• [雑誌論文] Δ9-Tetrahydrocannabinol disrupts estrogen-signaling through up-regulation of estrogen receptor β (ERβ) (2013)
  • 著者名/発表者名: S. Takeda, K. Yoshida, H. Nishimura, M. Harada, S. Okajima, H. Miyoshi, Y. Okamoto, T. Amamoto, K. Watanabe, C.J. Omiecinski, H. Aramaki
  • 雑誌名: Chemical Research in Toxicology 巻: 26 号: 7 ページ: 1073-1079
  • DOI: 10.1021/tx4000446
  • 査読あり
• [学会発表] エストロゲン受容体ERβ誘導能を示す化合物の網羅的解析と生体機能への影響解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 姫野太一、池田恵理子、岡崎裕之、徳安美紀、谷口彩、石井宏幸、垣添和弘、竹田修三、原口浩一、渡辺和人、荒牧弘範
  • 学会等名: 日本薬学会第135年会
  • 発表場所: 神戸学院大学ほか(神戸市)
  • 年月日: 2015-03-25 – 2015-03-28
• [学会発表] 新世代ビスフェノールBPAFによるエストロゲンシグナルへの影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 垣添和弘、岡崎裕之、池田恵理子、徳安美紀、石井宏幸、姫野太一、谷口彩、吉岡靖史、竹田修三、原口浩一、荒牧弘範
  • 学会等名: 第31回日本薬学会九州支部会
  • 発表場所: 第一薬科大学(福岡)
  • 年月日: 2014-12-26 – 2014-12-27
• [学会発表] 大麻主成分Δ9-THCによるPPARαを介したFA2Hの発現制御メカニズムの解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石井宏幸、池田恵理子、竹田修三、岡崎裕之、姫野太一、谷口彩、吉岡靖史、西村肇、渡辺和人、荒牧弘範
  • 学会等名: 第31回日本薬学会九州支部会
  • 発表場所: 第一薬科大学(福岡)
  • 年月日: 2014-12-26 – 2014-12-27
• [学会発表] 大麻主成分Δ9-THC のマウス概日時計機構に与える影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 池田恵理子、岡崎裕之、竹田修三、渡辺和人、荒牧弘範
  • 学会等名: 第21回日本時間生物学会
  • 発表場所: 九州大学医学部百年講堂(福岡市)
  • 年月日: 2014-11-08 – 2014-11-09
• [学会発表] 新世代ビスフェノール(ビスフェノールAF)によるERβを介したシグナル毒性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 徳安美紀、岡崎裕之、池田恵理子、石井宏幸、垣添和弘、姫野太一、谷口彩、吉岡靖史、竹田修三、原口浩一、渡辺和人、瀧口益史、荒牧弘範
  • 学会等名: フォーラム2014：衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-20
• [学会発表] PPARαにアゴニスト作用を示さないΔ9-テトラヒドロカンナビノールによるPPARαの活性化と制御下遺伝子FA2Hの発現 (2014)
  • 著者名/発表者名: 吉岡靖史、池田恵理子、竹田修三、石井宏幸、西村肇、渡辺和人、荒牧弘範
  • 学会等名: フォーラム2014：衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: つくば国際会議場(つくば市)
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-20
• [学会発表] ERβの発現誘導能を示す環境化学物質の網羅的解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 池田 恵理子, 竹田 修三, 姫野 太一, 徳安 美紀, 西村 肇, 吉岡 靖史, 原口 浩一, 渡辺 和人, 荒牧 弘範
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会
  • 発表場所: 熊本市(熊本市総合体育館)
• [学会発表] Δ9-テトラヒドロカンナビノールによるERβ発現誘導を介したエストロゲン/ERα機能抑制 (2013)
  • 著者名/発表者名: 吉田 和貴, 竹田 修三, 西村 肇, 池田 恵理子, 渡辺 和人, 荒牧 弘範
  • 学会等名: フォーラム2013：衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 福岡市(九州大学医学部百年講堂)
• [図書] 日本医事新報 質疑応答: 医療用大麻とは (2014)
  • 著者名/発表者名: 竹田修三(単著)
  • 総ページ数: 2
  • 出版者: 日本医事新報社