研究課題
基盤研究(C)
非結核性抗酸菌症(NTM症)は原因菌が同一であっても、その病態、病状の進行度は個々の患者で大きく異なる。NTM症はその進行度と、主な原因菌であるMycobacterium avium菌株の遺伝子型に関連があることが報告されており、またNTM症のうち過敏性肺臓炎様の疾患であるHot tub lungはToll様受容体(TLR)9が関与していることも示されている。一方乳酸菌では菌株間でゲノム内のCpGDNA(TLR9のリガンド)配列に相違があり、宿主への免疫刺激性が異なることが知られている。よって本研究はavium菌株間のゲノム上に存在するTLR9のリガンドであるCpGDNA配列に着目し、菌株間でのCpGDNA配列の相違、免疫刺激性の相違を明らかにし、さらにNTM症の病態解明、新規治療法の開発を目的とした。まず患者の喀痰検体から分離培養し保存したMycobacterium avium菌(Hot tub lung患者から分離した菌株を含む)を新たに液体培地で培養し、増殖したのちに遠心分離し、そのゲノムDNAを精製した。精製したDNAは制限酵素Sau3AIで消化、断片化してエタノール沈殿方法で再度精製を行った。次に採血した全血からヒト末梢血単核球を分離培養し、その培養上清中に、上記の方法で精製したMycobacterium avium菌のゲノムDNAを加えて、24時間培養した。その後培養上清を採取し、ELISA法でIFN-アルファを測定した。その結果Mycobacterium aviumの菌株間でゲノムDNAのよる免疫細胞の刺激性に相違は認めなかった。またTLR9を発現しているヒト形質細胞様樹状細胞の細胞株であるPMDC05を用いて同様の実験を行ったが、同様にMycobacterium aviumの菌株間でゲノムDNAのよる免疫細胞の刺激性に相違は認めなかった。
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