配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2013年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
研究実績の概要 |
コハク酸シベンゾリンは、Vaughan Williamsらの分類でクラスⅠ型の作用を示し、活動電位の持続時間の延長及び高濃度において内向きCa2+電流の抑制作用を示す。本剤は、未変化体として尿中に55~62%が排泄され、腎機能低下の患者において、筋無力症状や低血糖を来すことが知られている。また、LEMSは電位依存性カルシウムチャンネルに対する抗体(抗VGCC抗体)により、神経筋伝達障害が生じる。そこで、コハク酸シベンゾリンの運動終板の変化とLEMSの運動終板の微細構造の変化を検討した。 対象及び方法 : コハク酸シベンゾリンによる筋無力症状を呈した76歳女性。Harvey Marsland testで16%のWaning、テンシロンテスト陽性を示した。左上腕二頭筋から神経筋接合部の筋生検、また、抗VGCC抗体陽性のLEMS 5名からの筋生検がなされた。シベンゾリンによる筋無力症およびLEMSの運動終板でペルオキシダーゼでラベルしたバンガロトキシンの染色性は保たれ、アセチルコリン受容体の減少及び補体の沈着はなかった。微細構造の変化では、神経終末のサイズがシベンゾリンによる筋無力症症候群とLEMSで大きくなっていた。 結論 : カルシウムの流入が抑制されることにより、一次シナプス間隙へのアセチルコリンの分泌が抑制され、代償的に神経終末の肥大が惹起されると推測される。 今年度は、DOK-7をコードする遺伝子に変異を加えた、DOK-7欠損マウス、コントロールマウス、DOK-7過剰発現マウスの運動終板の微細構造を観察した。DOK-7欠損マウスにおいても、DOK-7過剰マウスともに運動終板の襞の形成が不十分であった。DOK-7が欠損しても、過剰であっても、後シナプスの形成に影響を及ぼし、かつ、神経終末にも影響を及ぼしうる。 上記の結果は, 雑誌Scienceに掲載された(Arimura S, Okada T, Tezuka T, Chiyo T, Kasahara Y, Yoshimura T, Motomura M, Yoshida N, Beeson D, Takeda S, Yamanashi Y. Neuromuscular disease. DOK7 gene therapy benefits mouse models of diseases characterized by defects in the neuromuscular junction. Science. 2014 Sep 19 ; 345(6203) : 1505-8).
|