Gsk-3による統合的エネルギー代謝調節機構解明に基づく2型糖尿病治療の研究

• 研究課題/領域番号: 25461357
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 代謝学
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 田部 勝也 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (00397994)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2014年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2013年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
• キーワード: 糖尿病 / GSK3 / 膵β細胞 / 小胞体ストレス / エネルギー代謝 / PPARγ / GSK-3 / 脂肪細胞 / アポトーシス

研究成果の概要

糖尿病の病態形成におけるGSK-3活性制御障害の意義について解明を行った。小胞体ストレス下の膵β細胞では、過剰なGSK-3活性がATF4蛋白分解の促進を介して小胞体ストレス応答性の翻訳制御を障害し、アポトーシス誘導を増強した。一方、脂肪組織において、高脂肪食負荷によりGSK-3が活性化した。さらに、GSK-3が直接的なリン酸化を介してPPARγの転写活性を抑制的に制御することを明らにした。この結果は、GSK3がエネルギー代謝調節に重要な役割を果たすことを示唆する。以上の研究成果から、GSK-3が2型糖尿病の病態形成に深くかかわっており、有望な治療標的となり得る可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Wolfram症候群研究の現況と展望 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 雑誌名: 日本臨床 巻: 73 ページ: 341-349
• [雑誌論文] 糖尿病と小胞体ストレス (2015)
  • 著者名/発表者名: 永尾優子 田部勝也 谷澤幸生
  • 雑誌名: 最新医学 巻: 70 ページ: 496-503
• [雑誌論文] Wolfram syndrome: clinical features, molecular genetics of WFS1 gene. (2015)
  • 著者名/発表者名: Tanabe K, Matsunaga K, Hatanaka M, Akiyama M, Tanizawa Y.
  • 雑誌名: Nihon Rinsho 巻: 73 ページ: 341-349
  • NAID: 40020332982
• [雑誌論文] 小胞体ストレスと膵β細胞死 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也、谷澤幸生
  • 雑誌名: 日本体質医学会雑誌 巻: 77 ページ: 14-20
  • NAID: 40020373465
• [雑誌論文] Wolfram syndrome in the Japanese population; molecular analysis of WFS1 gene and characterization of clinical features. (2014)
  • 著者名/発表者名: Matsunaga K, Tanabe K, Inoue H, Okuya S, Ohta Y, Akiyama M, Taguchi A, Kora Y, Okayama N, Yamada Y, Wada Y, Amemiya S, Sugihara S, Nakao Y, Oka Y, Tanizawa Y.
  • 雑誌名: PLOS ONE 巻: 9 号: 9 ページ: e106906-e106906
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0106906
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Clock-controlled output gene Dbp is a regulator of Arnt/Hif-1β gene expression in pancreatic islet β-cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Nakabayashi H, Ohta Y, Yamamoto M, Susuki Y, Taguchi A, Tanabe K, Kondo M, Hatanaka M, Nagao Y, Tanizawa Y
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 434 号: 2 ページ: 370-5
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2013.03.084
  • 査読あり
• [雑誌論文] A sibling case of Wolfram syndrome with a novel mutation Y652X in WFS1 (2013)
  • 著者名/発表者名: Iwasaki N., Fukawa K., Matsuo M., Urano M., Watanabe M., Ono Y., Tanabe K., Tanizawa Y., Ogata M., Ide R., Takizawa M., Nagata S., Osawa M., Uchigata Y., Saito K.
  • 雑誌名: Diabetology International 巻: 5 号: 2 ページ: 148-153
  • DOI: 10.1007/s13340-013-0145-8
  • 査読あり
• [学会発表] Wfs1欠損マウスにおける膵β細胞脱分化とその意義の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 椎木幾久子 田部勝也 谷澤幸生
  • 学会等名: 第27回分子糖尿病学研究会
  • 発表場所: 丸ビルホール＆カンファレンススクェア（東京都千代田区）
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] Wfs1 deficiency compromises beta cell identity and results in loss of functional beta cell mass (2015)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也 椎木幾久子 谷澤幸生
  • 学会等名: Keystone symposia Kyoto
  • 発表場所: ウェスティン都ホテル（京都府京都市）
  • 年月日: 2015-10-25
  • 国際学会
• [学会発表] Wfs1 deficiency compromises beta cell identity and results in loss of functional beta cell mass (2015)
  • 著者名/発表者名: 椎木幾久子 田部勝也 谷澤幸生
  • 学会等名: 第75回米国糖尿病学会
  • 発表場所: ボストンコンベンションセンター ボストン（USA）
  • 年月日: 2015-06-05
  • 国際学会
• [学会発表] Wolfram症候群の実態と糖尿病発症機構の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 学会等名: 第58回日本糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: 海峡メッセ下関（山口県・下関市）
  • 年月日: 2015-05-21 – 2015-05-23
  • 招待講演
• [学会発表] Wolfram症候群の診断と発症機構の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 学会等名: 第58回糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: シーモール下関(山口県下関市）
  • 年月日: 2015-05-21
  • 招待講演
• [学会発表] Wfs1欠損膵島における膵β細胞脱分化機構の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 椎木幾久子
  • 学会等名: 第58回糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: シーモール下関（山口県下関市）
  • 年月日: 2015-05-21
• [学会発表] Gsk-3 によるIntegrated Stress Response(ISR)制御と膵β細胞アポトーシス誘導における意義とその解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 永尾優子 田部勝也 谷澤幸生
  • 学会等名: 第58回糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: シーモール下関（山口県下関市）
  • 年月日: 2015-05-21
• [学会発表] Role of GSK3 in the development of beta cell failure (2014)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 学会等名: 第57回日本糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: 大阪リーガロイヤルホテル【大阪府】
  • 年月日: 2014-05-22 – 2014-05-24
  • 招待講演
• [学会発表] Role of GSK3 in the development of beta cell failure (2014)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 学会等名: 第57回日本糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: 大阪リーガロイヤルホテル（大阪）
  • 招待講演
• [学会発表] SCFβTrCP and GSK3-mediated degradation of ATF4 is a pro-apoptotic mechanism in pancreatic beta cell under ER stress. (2013)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 学会等名: 第56回日本糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: 熊本メルパルクホール（熊本）
  • 招待講演
• [図書] Islet Equality (2014)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 総ページ数: 42
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] Diabetes Frontier (2013)
  • 著者名/発表者名: 田部勝也
  • 総ページ数: 780
  • 出版者: メディカルレビュー社