配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究実績の概要 |
前年度までに得られた雑音妨害音下の日本語による語音聴取の心理学的および生理学的測定結果をふまえ, 単耳および両耳難聴者の音源聴取能を客観的に把握するための生理心理計測法を追求した。刺激音としては, 音声のfine structureとenvelopeを独立して制御した加工音を採用した。非音声の妨害音としては, 白色雑音および低域~高域帯域雑音, 楽音を含む各種環境音を用意した。刺激音源としての音声と重畳する妨害音, すなわち他者の複数音声や雑音および環境音の同時提示は, 複数スピーカによる音源空間定位測定システムを用いて実現可能とした。生理指標の獲得に関しては, これまでの脳磁図・脳波同時計測とともに, 人工内耳装用者にも電磁アーチファクトの影響が無いまたは少ない多チャンネル脳波および近赤外線光トポグラフィ計測を新たに候補とした。計測データから得られた事象関連電位・緩反応および低~高周波事象誘発・関連発振の有用性を確認した。両耳による妨害音下の音声聴取の神経機構を解析するため, これまで構築したIn vivo動物実験装置を整備した。蛍光法により分類された多種ニューロンから同時に得られる細胞外電位を多時系列情報とみなして, 刺峨音のfine structureおよびenvelopeの時間変化との相関分析を可能とした。この多数話者を含む妨害音下の音声聴取に核心的な役割を示す中枢聴覚路の両耳刺般反応ニューロン(binaural cells : BC)に着目し, 整備した動物実験装置を用いてBC動作の非線形周波数特異性を精査した。妨害音に音源の反射音をも含む条件での3次元空間内の音源分離機構を解明するための手がかりが得られた。
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