高悪性度唾液腺癌に対するオーダーメイド治療の開発

• 研究課題/領域番号: 25462672
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 耳鼻咽喉科学
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 加納 里志 北海道大学, 大学病院, 助教 (00374421)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2013年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 唾液腺癌 / 唾液腺導管癌 / HER2 / トラスツズマブ / 頭頸部外科学 / EGFR / c-KIT / 免疫染色法 / FISH

研究成果の概要

唾液腺癌組織における発現タンパク質を解析したところ、EGFRは76%、HER2は20%、c-KITは38%で陽性であり、中でもHER2陽性例が有意に予後不良であった。さらに、HER2陽性例ではその下流シグナルであるPI3K経路の活性化を認めた。また、HER2は唾液腺導管癌に多く発現していたが、de novoに比べ多形腺腫由来癌で多く認めており、多形腺腫からの発癌に強く関与している可能性が示唆された。
これらの結果から、HER2を標的とした薬物治療の開発を検討した。既に乳癌や胃癌で臨床応用されている抗HER2抗体トラスツズマブとドセタキセル併用薬物治療による第2相臨床試験を現在進行中である。

研究成果

• [雑誌論文] Effect of local extension sites on survival in locally advanced maxillary sinus cancer. (2014)
  • 著者名/発表者名: Kano S, Hayashi R, Homma A, Matsuura K, Kato K, Kawabata K, Monden N, Hasegawa Y, Onitsuka T, Fujimoto Y, Iwae S, Okami K, Matsuzuka T, Yoshino K, Fujii M.
  • 雑誌名: Head Neck. 巻: 36 号: 11 ページ: 1567-1572
  • DOI: 10.1002/hed.23483
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 原発不明頸部リンパ節転移におけるヒト乳頭腫ウイルスの解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 加納 里志, 本間 明宏, 鈴木 清護, 畠山 博充, 古沢 純, 水町 貴諭, 坂下 智博, 折舘 伸彦, 福田 諭
  • 雑誌名: 頭頸部癌 巻: 40 ページ: 344-348
  • NAID: 130004706092
  • 査読あり
• [雑誌論文] Matched-pair analysis in patients with advanced oropharyngeal cancer: surgery versus concurrent chemoradiotherapy. (2013)
  • 著者名/発表者名: Kano S, Homma A, Hayashi R, Kawabata K, Yoshino K, Iwae S, Hasegawa Y, Nibu K, Kato T, Shiga K, Matsuura K, Monden N, Fujii M.
  • 雑誌名: Oncology 巻: 84 号: 5 ページ: 290-298
  • DOI: 10.1159/000346908
  • 査読あり
• [学会発表] 唾液腺導管癌における免疫組織学的発現解析-多施設共同による152症例の検討- (2016)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第213回日本耳鼻医咽喉科学会北海道地方部会
  • 発表場所: 札幌医科大学（北海道札幌市）
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] 唾液腺導管癌におけるHER2下流シグナルの解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第60回日本唾液腺学会
  • 発表場所: 文京学院大学（東京都文京区）
  • 年月日: 2015-12-05
• [学会発表] 多施設共同による唾液腺導管癌の後方視的観察研究－救済治療の課題と新たな治療法の開発－ (2015)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第13回日本臨床腫瘍学会
  • 発表場所: ロイトン札幌（北海道札幌市）
  • 年月日: 2015-07-16
• [学会発表] 唾液腺癌を対象としたHER2タンパク過剰発現および遺伝子増幅検査法の臨床的バリデーションに関する検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第39回日本頭頸部癌学会（第4回アジア頭頸部癌学会）
  • 発表場所: 神戸国際会議場（兵庫県神戸市）
  • 年月日: 2015-06-03
  • 国際学会
• [学会発表] 多施設共同による唾液腺導管癌の後方視的観察研究と新たな臨床試験 (2015)
  • 著者名/発表者名: 加納里志、多田雄一郎、花澤豊行、大塚邦憲、清水顕、大上研二、佐藤雄一郎、長尾俊
  • 学会等名: 第41回北海道頭頸部腫瘍研究会
  • 発表場所: 北海道がんセンター（札幌市）
  • 年月日: 2015-02-28
• [学会発表] 多施設共同による唾液腺導管癌に対するHER2発現解析と新たな臨床試験 (2014)
  • 著者名/発表者名: 加納里志、多田雄一郎、花澤豊行、今西順久、清水顕、大上研二、佐藤雄一郎、長尾俊孝
  • 学会等名: 日本耳鼻咽喉科学会第210回北海道地方部会
  • 発表場所: 札幌医科大学（札幌市）
  • 年月日: 2014-10-12
• [学会発表] Genetic and Expression Analysis of HER2 in Salivary Duct Carcinoma (2014)
  • 著者名/発表者名: Kano S, Homma A,Hatakeyama H,Furusawa J, Mizumachi T, Sakashita T,Fukuda S
  • 学会等名: IFHNOS 5th World Congress
  • 発表場所: The Marriott Marquis Square（New York,USA）
  • 年月日: 2014-07-27 – 2014-07-30
• [学会発表] 唾液腺導管癌におけるHER2下流シグナルの解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 加納里志、本間明宏、畠山博充、古沢純、水町貴諭、坂下智博、福田諭
  • 学会等名: 第38回日本頭頸部癌学会
  • 発表場所: 東京ファッションタウンビル（東京都）
  • 年月日: 2014-06-12 – 2014-06-13
• [学会発表] 多施設共同による唾液腺導管癌の後方視的観察研究－救済治療の課題と今後の展望－ (2014)
  • 著者名/発表者名: 加納里志、多田雄一郎、花澤豊行、今西順久、清水顕、大上研二、佐藤雄一郎、長尾俊孝
  • 学会等名: 第115回日本耳鼻咽喉科学会
  • 発表場所: ヒルトン福岡シーホーク（福岡市）
  • 年月日: 2014-05-14 – 2014-05-17
• [学会発表] 下咽頭癌の救済手術における気管傍郭清省略の妥当性の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第24回日本頭頸部外科学会
  • 発表場所: サンﾎﾟｰﾄ高松（高松市）
• [学会発表] 上顎洞原発扁平上皮癌T4症例の進展部位別予後解析－多施設後ろ向き観察研究－ (2013)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第37回日本頭頸部癌学会
  • 発表場所: 東京医科歯科大、京王プラザホテル（東京都）
• [学会発表] 中咽頭癌に対する放射線化学療法の検討－多施設による後方視的観察研究－ (2013)
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第51回日本癌治療学会
  • 発表場所: 国立京都国際会館（京都市）
• [学会発表] 当科における原発不明頸部リンパ節転移癌の解析
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 北日本頭頸部癌治療研究会
  • 発表場所: ホテルさっぽろ芸文館（札幌市）
• [学会発表] 頭頸部癌における分子標的治療の現状と展望
  • 著者名/発表者名: 加納里志
  • 学会等名: 第26回北海道癌治療研究会学術講演会
  • 発表場所: 北海道大学学術交流会館（札幌市）