研究課題
基盤研究(C)
網膜の疾患は遺伝性の網膜疾患であることが多く、欧米では既知遺伝子変異の網羅的な解析により疾患の高い割合を占める遺伝子変異を報告している。しかしながら日本人は欧米人とは遺伝的背景が異なり、欧米での知見をそのまま用いることは出来ず、網羅的に候補原因遺伝子のエクソン配列を解析する必要がある。そこで本研究では、次世代シーケンサーを用いたエクソーム解析による膨大な変異情報の中から効率的に網膜疾患関連遺伝子の解析をおこなう「網膜疾患に特化したパイプライン」を構築することを目的としている。平成25年度の研究成果により、エクソーム解析による膨大な変異情報の中からdbSNPや1000 genomesプロジェクトなどによるSNPのアリル頻度情報や転写翻訳されるタンパクへの影響から疾患原因候補変異を絞込み、さらに遺伝性網膜疾患関連の単語をキーワードに用いてOMIMから抽出した網膜疾患の原因遺伝子に位置する変異情報のみを抽出し効率的に網膜疾患関連遺伝子の解析をおこなうパイプラインを構築できた。平成26年度はこの解析パイプラインを利用し遺伝性網膜疾患エクソーム解析をおこないサンガーシークエンス法やDNAアレイなどの方法では原因を特定することが困難であった原因変異を数多く同定することが出来た。また、既知の原因遺伝子に疾患責任変異が特定されなかった遺伝性網膜疾患家系については、今後さらに疾患情報や家系内検体を収集し全エクソン解析を進めることにより新規原因遺伝子の同定が期待される。これらの本研究成果が本邦においても近い将来試みられることが予想される遺伝子治療の基礎となると考えられる。
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