各種現場において迅速かつ高感度に病原性細菌などを検出する遺伝子検知システムの開発が望まれている。そこで熱対流による反応溶液の自走駆動と遠心力による熱対流加速を利用したオンチップPCR法を提案した。熱対流が可能なポリジメチルシロキサン(PDMS)/ガラス製マイクロ流路を設計・試作し、熱対流制御条件、溶液気泡発生抑制、流路表面吸着防止処理などオンチップDNA増幅反応の諸条件を検討した。結果、わずか15分での迅速高感度なDNA増幅に成功した(検量特性:DNA初期濃度12pg~12ng/chip、検出感度120pg/chip)。これにより遠心促進熱対流型PCR法の開発に成功し、その基礎条件を確立した。
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