研究課題/領域番号 |
25640037
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2013年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 昆虫フェロモン / 興奮性イオンチャネル / 化学遺伝学 / トランスジェニックマウス / 青斑核 / 学習 / 記憶学習 |
研究成果の概要 |
本研究では、昆虫フェロモン受容体を利用して、特定のニューロンの活動を興奮性に制御する新規の遺伝学的技術の開発に取り組んだ。チロシン水酸化酵素遺伝子プロモーター制御下に、IR8a/IR84a遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを作成した。スライス電気生理、in vivo電気生理において、青斑核(LC)の活動はフェロモンの添加により亢進し、マイクロダイアリシスにおいて、大脳皮質ノルアドレナリン遊離レベルの増加が誘導された。LC活性化は、味覚嫌悪記憶の想起を増強した。以上の結果から、フェロモン依存性イオンチャネルの発現により、特定ニューロンの活動を興奮性に制御することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規の化学遺伝学の技術は、促進性イオン透過型受容体を用いる実験系で、これまでの代謝型受容体を用いた系とは細胞内伝達系を必要とせず、安定した実験結果が期待できる。ある種の病態モデルにおいて低下した細胞機能を改善する技術に応用でき、神経回路レベルの機能回復に有益な技術を提供する。また、ノルアドレナリンの記憶再生における役割を明らかにしたが、この神経伝達系の作用を調節することにより、記憶障害やPTSDなどの疾患の改善に応用することが期待できる。
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