水を溶媒とするアルカロイドの革新的合成法の開発

• 研究課題/領域番号: 25670005
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 化学系薬学
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 石川 勇人 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (80453827)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2014年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円); 2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
• キーワード: バイオインスパーアード反応 / 水中反応 / アルカロイド / 生合成模擬的合成 / バイオインスパイアード反応 / プレニル化反応 / インドールアルカロイド / 一電子酸化反応

研究成果の概要

これまでの有機合成反応は有機溶媒中で行うのが常であった。今回、我々は天然由来の塩基性成分であるアルカロイドが酸性水溶液中で塩を形成するために、水に可溶になる現象に着目した。この現象を利用して生体成分である水中での有機合成反応の開発を行った。結果として、生体内で行われている幾つかの化学反応をフラスコ内で完全水中で行うことに成功し、有用な生物活性天然物の全合成研究へと応用した。開発した合成法はこれまでに報告されている合成法と比べて非常に簡便であり、網羅的に天然物を合成できる上、水溶媒であるために環境に優しい。

研究成果

• [雑誌論文] Synthesis of Tryptophan-based Dimeric Diketopiperazine Alkaloids using Bio-inspired Reactions (2014)
  • 著者名/発表者名: Shinji Tadano, Hayato Ishikawa
  • 雑誌名: Synlett 巻: 25 号: 02 ページ: 157-162
  • DOI: 10.1055/s-0033-1340160
  • 査読あり
• [雑誌論文] ポットエコノミーを指向した効率的天然物合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人、林雄二郎
  • 雑誌名: ファインケミカル（ 特集号 天然物合成化学の新たな展開） 巻: 43 ページ: 6-14
  • 査読あり
• [雑誌論文] Organocatalyst-Mediated Dehydrogenation of Aldehydes to α,β-Unsaturated Aldehydes, and Oxidative and Enantioselective Reaction of Aldehydes and Nitromethane Catalyzed by Diphenylprolinol Silyl Ether (2013)
  • 著者名/発表者名: Y. Hayashi , T. Itoh, H. Ishikawa
  • 雑誌名: Adv. Synth. Catal 巻: 355 号: 18 ページ: 3661-3669
  • DOI: 10.1002/adsc.201300919
  • 査読あり
• [雑誌論文] One-Pot Synthesis of (-)-Oseltamivir and Mechanistic Insights into the Organocatalyzed Michael Reaction (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Mukaiyama, H. Ishikawa, H. Koshino, Y. Hayashi
  • 雑誌名: Chem. Eur. J 巻: 19 号: 52 ページ: 17789-17800
  • DOI: 10.1002/chem.201302371
  • 査読あり
• [雑誌論文] Bio-Inspired Dimerization Reaction of Tryptophan Derivatives in Aqueous Acidic Media: Three-Step Syntheses of (+)-WIN 64821, (-)-Ditryptophenaline and (+)-Naseseazine B (2013)
  • 著者名/発表者名: Shinji Tadano, Yuri Mukaeda, Hayato Ishikawa
  • 雑誌名: Angewandte Chemie, International Edition 巻: 52 号: 31 ページ: 7990-7994
  • DOI: 10.1002/anie.201303143
  • 査読あり
• [学会発表] Collective Synthesis of Dimeric Diketopiperazine Alkaloids Using Bio-inspired Dimerization of Tryptophan Derivatives (2014)
  • 著者名/発表者名: Shinji Tadano, Yukihiro Sugimachi, Hayato Ishikawa
  • 学会等名: 2nd International Symposium for ISMBC
  • 発表場所: ホテルグリーンピア南阿蘇
  • 年月日: 2014-11-30
• [学会発表] 全合成におけるバイオインスパイアード反応と不斉有機触媒反応の利用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 平成26年度 後期（秋期）有機合成化学講習会
  • 発表場所: 日本薬学会長井記念ホール
  • 年月日: 2014-11-20
  • 招待講演
• [学会発表] 直接的骨格構築反応を利用する生物活性化合物の短段階合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 第３１回 有機合成化学セミナー
  • 発表場所: 福岡県志賀島国民休暇村
  • 年月日: 2014-09-18
  • 招待講演
• [学会発表] 直接的骨格構築反応を利用する生物活性化合物の短段階合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 東京理科大学大学院総合化学研究科 大学院特別講義
  • 発表場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス
  • 招待講演
• [学会発表] 生物に倣うインドール酸化反応を用いた生物活性アルカロイドの全合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会 シンポジウム「薬学における生命指向型化学（生命現象解明を加速する統合的アプローチを探る）」
  • 発表場所: ホテル日航熊本
  • 招待講演
• [学会発表] Lundurine Bの全合成研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 塩見慎也、前田慧、石川勇人
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会
  • 発表場所: 熊本大学
• [学会発表] 合成化学的手法によるジトリプトロイシンA、BおよびクリスタチュミンCの構造決定 (2014)
  • 著者名/発表者名: 只野慎治、石川勇人
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会
  • 発表場所: 熊本大学
• [学会発表] 直接的骨格構築反応を駆使した生物活性化合物の短段階合成 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 大阪大学 産業科学研究所主催 講演会
  • 発表場所: 大阪大学
  • 招待講演
• [学会発表] Synthetic Study of Biologically Active Natural Products (2013)
  • 著者名/発表者名: Hayato Ishikawa
  • 学会等名: International Kick-Off Symposium For ”ISMCBC”
  • 発表場所: 熊本大学
  • 招待講演
• [学会発表] バイオインスパイアード反応および不斉有機触媒を鍵工程とするアルカロイドの全合成研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 合同シンポジウム 日本プロセス化学会2013ウィンターシンポジウム 兼 新学術領域「有機分子触媒による未来型分子変換」第３回 公開シンポジウム
  • 発表場所: 仙台市民会館
  • 招待講演
• [学会発表] 水中バイオインスパイアード反応を鍵工程とする二量体型ジケトピペラジンアルカロイド類の短段階合成 (2013)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人、只野慎治、迎田友里
  • 学会等名: 第55回 天然有機化合物討論会
  • 発表場所: 同志社大学寒梅館
• [学会発表] 生物に倣うインドール酸化反応を用いた天然物の効率的全合成 (2013)
  • 著者名/発表者名: 石川勇人
  • 学会等名: 新学術領域「天然物ケミカルバイオロジー：分子標的と活性制御」地区ミニシンポジウム
  • 発表場所: 千葉大学
  • 招待講演
• [学会発表] Three-Step Synthesis of WIN 64821, Ditryptophenaline and Naseseazine B via Bio-inspired Reaction in Water (2013)
  • 著者名/発表者名: Hayato Ishikawa
  • 学会等名: The First Asian Conference for “MONODUKURI” Strategy by Synthetic Organic Chemistry
  • 発表場所: 沖縄、サザンビーチホテル＆リゾート
  • 招待講演
• [図書] Asymmetric Synthesis II: More Methods and Applications; Edited by Mathias Christmann、ch９ (2013)
  • 著者名/発表者名: Hayato Ishikawa, Yujiro Hayashi
  • 総ページ数: 404
  • 出版者: WILEY-VCH
• [備考] 熊本大学大学院自然科学研究科 研究コア「キラル分子生命科学」
  • URL: http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/chiralmolecule/
• [備考] 熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻化学講座 石川研究室
  • URL: http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~ishikawa/ishikawa-lab/Top.html
• [備考] Ishikawa group home page
  • URL: http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~ishikawa/ishikawa-lab/Top.html
• [産業財産権] ヒドロキシプロリン誘導体 (2013)
  • 発明者名: 石川勇人
  • 権利者名: 熊本大学、株式会社協和発酵バイオ
  • 産業財産権種類: 特許
  • 出願年月日: 2013-05-24