研究課題/領域番号 |
25670284
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
疼痛学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
池田 弘 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80377473)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2014年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2013年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | アストロサイト |
研究概要 |
前部帯状回を含む脳スライス標本を作成し、膜電位感受性色素、カルシウム感受性色素で染色した。膜電位感受性色素は、細胞膜内の電位差の変化に反応する。ニューロンの活動は、電位変化によって他の細胞へと信号が伝えられることが知られており、一方、アストロサイトの電位変化は神経細胞の電位変化に比べて非常に僅かであることが知られている。よって、この染色液によってニューロンの活動が計測できると考えられる。また、カルシウム感受性色素は細胞内のカルシウムイオンの濃度上昇をイメージングするために用いる。カルシウムイオンの濃度上昇は、ニューロン、アストロサイトのいずれの細胞にも起きると考えられるが、その細胞がSR101で染まっているかを確認することで、ニューロンかアストロサイトかが識別できると考えられる。 このような方法により、末梢組織に炎症を起こし、痛覚過敏となっているマウスでは、コントロールマウスに比べて、振幅の大きな長期増強を起こすことが明らかとなった。また、細胞内のカルシウムイオンの濃度上昇を示すアストロサイトの数が、増大していることがわかった。 これらの成果は、従来は不明確であったグリア細胞が、痛覚過敏、および情動変化にどのように関与しているのか、その機能的な役割の一部が明らかとなった。本研究は、慢性痛や痛覚過敏などの我々に激しい苦痛を与える痛みを緩和するための有効な方法を発見するために貢献する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標通り、計測システムと方法が確立し、基礎的データも得られているから。
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今後の研究の推進方策 |
長期増強を起こす高周波数の電気刺激を与えることによって惹起されるアストロサイトの活動が、炎症マウスとコントロールマウスでどのように違うのかについて調べ、グルタミン酸受容体の拮抗薬、ATP受容体の拮抗薬などの影響も解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
小額だったため次年度の額と合わせて使用した方が効率がいいと考えた。 消耗品で使用予定。
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