塩化物環境におけるジルコニウムの腐食機構の解明

• 研究課題/領域番号: 25709064
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 一部基金
• 研究分野: 構造・機能材料
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 堤 祐介 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (60447498)
• 研究協力者: 原 信義 ; 武藤 泉 ; 菅原 優 ; 中野 成之 ; 塚田 惇一
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円); 2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2014年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円); 2013年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
• キーワード: ジルコニウム / 腐食 / 生体材料 / 耐食性 / 孔食

研究成果の概要

新規医療用金属材料としての応用が進むジルコニウムについて、これまで不明であった、塩化物イオン環境中の局部腐食の発生機構を明らかにすることを目的とした。微小領域に限定した特殊な電気化学測定を行い、腐食の起点となる因子を分析した結果、精錬時に導入されるごく微量の不純物により、低確率で表面に露出する欠陥が、ジルコニウム局部腐食を誘発し、耐食性を損ねていることを明らかにし、ジルコニウムは本来、チタンと同等の優れた耐局部腐食性を潜在的に有していることを解明した。これらの結果を基に、耐食性改善を実現する表面処理法に成功し、医療用にとどまらず、一般工業用へのジルコニウムの用途拡大つながる成果を得た。

研究成果

• [雑誌論文] Inhibitory Effect of Zirconium Coating to Bone Bonding of Titanium Implants in Rat Femur (2017)
  • 著者名/発表者名: Takada R, Jinno T, Tsutsumi Y, Doi H, Hanawa T, Okawa A
  • 雑誌名: MATERIALS TRANSACTIONS 巻: 58 号: 1 ページ: 113-117
  • DOI: 10.2320/matertrans.M2016293
  • NAID: 130006776973
  • ISSN: 1345-9678, 1347-5320
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Magnetic susceptibility, artifact volume in MRI, and tensile properties of swaged Zr-Ag composites for biomedical applications (2017)
  • 著者名/発表者名: Imai H, Tanaka Y, Nomura N, Doi H, Tsutsumi Y, Ono T, Hanawa T
  • 雑誌名: Journal of the Mechanical Behavior of Biomedical Materials 巻: 13 ページ: 324-336
  • DOI: 10.1016/j.jmbbm.2016.11.011
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Electrochemical surface treatment of a β-titanium alloy to realize an antibacterial property and bioactivity (2016)
  • 著者名/発表者名: Tsutsumi Y, Niinomi M, Nakai M, Shimabukuro M, Ashida M, Chen P, Doi H, Hanawa T
  • 雑誌名: Metals 巻: 6 号: 4 ページ: 76-76
  • DOI: 10.3390/met6040076
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Micro Arc Oxidation of Ti-15Zr-7.5Mo Alloy (2016)
  • 著者名/発表者名: Chen P, Nagai A, Tsutsumi Y, Ashida M, Doi H, Hanawa T
  • 雑誌名: MATERIALS TRANSACTIONS 巻: 57 号: 12 ページ: 2015-2019
  • DOI: 10.2320/matertrans.MI201513
  • NAID: 130005284459
  • ISSN: 1345-9678, 1347-5320
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Effect of Heat Treatment and the Fabrication Process on Mechanical Properties of Zr-14Nb Alloy (2016)
  • 著者名/発表者名: Kondo R, Nomura N, Doi H, Matsumoto H, Tsutsumi Y, Hanawa T
  • 雑誌名: MATERIALS TRANSACTIONS 巻: 57 号: 12 ページ: 2060-2064
  • DOI: 10.2320/matertrans.MI201512
  • NAID: 130005284479
  • ISSN: 1345-9678, 1347-5320
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Evaluation of Release and Accumulation of Metal Ions from Titanium and Nickel by Accelerated Dissolution Test in Simulated Body Environments (2015)
  • 著者名/発表者名: Okamoto H, Tsutsumi Y, Watanabe M, Yamakage K, Ashida M, Chen P, Doi H, Miura H, Matsumura M, Hanawa T
  • 雑誌名: Electrochemistry 巻: 83 号: 12 ページ: 1048-1052
  • DOI: 10.5796/electrochemistry.83.1048
  • NAID: 130005112148
  • ISSN: 1344-3542, 2186-2451
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 医療用金属材料としてのジルコニウムの耐食性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 堤 祐介
  • 雑誌名: 材料と環境 巻: 63 ページ: 360-364
  • NAID: 130004732391
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Corrosion resistance of Zr as metallic biomaterials (2014)
  • 著者名/発表者名: Tsutsumi Y
  • 雑誌名: Corros Eng 巻: 63 ページ: 281-286
  • NAID: 130004732391
  • 謝辞記載あり
• [学会発表] ジルコニウムの生体内における耐食性の支配因子の解明 (2016)
  • 著者名/発表者名: 塚田惇一, 堤 祐介, 蘆田茉希, 陳 鵬, 土居 壽, 菅原 優, 武藤 泉, 原 信義, 塙 隆夫
  • 学会等名: 日本バイオマテリアル学会シンポジウム2016
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-11-21
• [学会発表] ジルコニウムコーティング処理を施したチタン合金の生体内骨形成抑制効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 高田亮平, 神野哲也, 堤 祐介, 土居 壽, 塙 隆夫, 大川 淳
  • 学会等名: 日本バイオマテリアル学会シンポジウム2016
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-11-21
• [学会発表] Surface modification of biomedical metallic materials (2016)
  • 著者名/発表者名: Tsutsumi Y
  • 学会等名: The 1st International Symposium on Creation of Life Innovation Materials for Interdisciplinary and International Researcher Development (iLIM-1)
  • 発表場所: ホテル阪急エキスポパーク（大阪府吹田市）
  • 年月日: 2016-10-17
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Corrosion behaviors and metal ion releases of metallic biomaterials in simulated body fluid (2016)
  • 著者名/発表者名: Tsutsumi Y, Ashida M, Chen P, Doi H, Hanawa T
  • 学会等名: Pacific Rim Meeting on Electrochemical and Solid-State Science (PRiME2016)
  • 発表場所: Honolulu, Hawaii (USA)
  • 年月日: 2016-10-02
  • 国際学会
• [学会発表] Pitting corrosion behavior of zirconium in a simulated body fluid containing chloride ions (2016)
  • 著者名/発表者名: Tsukada J, Tsutsumi Y, Ashida M, Chen P, Doi H, Sugawara Y, Muto I, Hara N, Hanawa T
  • 学会等名: Pacific Rim Meeting on Electrochemical and Solid-State Science (PRiME2016)
  • 発表場所: Honolulu, Hawaii (USA)
  • 年月日: 2016-10-02
  • 国際学会
• [学会発表] 医療用金属材料における耐食性とその評価法 (2016)
  • 著者名/発表者名: 堤 祐介
  • 学会等名: 東北大学金属材料研究所ワークショップ, 日本バイオマテリアル学会東北ブロック講演会「バイオマテリアル研究若手交流会」
  • 発表場所: 東北大学金属材料研究所（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2016-09-26
  • 招待講演
• [学会発表] ジルコニウムの孔食発生に及ぼす不純物元素の影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 塚田惇一, 堤 祐介, 蘆田茉希, 陳 鵬, 土居 壽, 菅原 優, 武藤 泉, 原 信義, 塙 隆夫
  • 学会等名: 日本金属学会2016 年秋期(第159 回) 講演大会
  • 発表場所: 大阪大学豊中キャンパス（大阪府豊中市）
  • 年月日: 2016-09-21
• [学会発表] 医療用金属材料における耐食性の重要性とその評価に関する研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 堤 祐介
  • 学会等名: 材料と環境2017
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2016-05-25
  • 招待講演
• [学会発表] The corrosion resistance of Ti-Zr binary alloy with compositional change (2016)
  • 著者名/発表者名: Akimoto T, Ueno T, Tsutsumi Y, Doi H, Hanawa T, Wakabayashi N
  • 学会等名: 10th World Biomaterials Congress (WBC2016)
  • 発表場所: Montreal (Canada)
  • 年月日: 2016-05-17
  • 国際学会
• [学会発表] 擬似体液環境におけるジルコニウムの孔食発生因子の検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 塚田 惇一, 堤 祐介, 蘆田茉希, 陳 鵬, 土居 壽, 菅原 優, 武藤 泉, 原 信義, 塙 隆夫
  • 学会等名: 日本金属学会2016年春期(第158回)講演大会
  • 発表場所: 東京理科大学葛飾キャンパス（東京都葛飾区）
  • 年月日: 2016-03-23
• [学会発表] 塩化物環境中におけるジルコニウムの局部腐食発生機構の検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 堤 祐介，中野成之，菅原 優，蘆田茉希，陳 鵬，土居 壽， 下条雅幸，武藤 泉，原 信義，塙 隆夫
  • 学会等名: 日本金属学会2015年秋期(第157回)講演大会
  • 発表場所: 九州大学伊都キャンパス（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2015-09-16
• [学会発表] 微小領域における電気化学計測を用いた塩化物環境中のジルコニウムの孔食発生機構の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 堤 祐介,中野成之,菅原 優,武藤 泉, 原 信義,下条雅幸,塙 隆夫
  • 学会等名: 第61回材料と環境討論会
  • 発表場所: 米子
  • 年月日: 2014-11-26 – 2014-11-28
• [学会発表] 生体用ジルコニウム合金の開発に向けた腐食評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 堤 祐介
  • 学会等名: 腐食防食学会第181回腐食防食シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2014-09-16
  • 招待講演
• [学会発表] 擬似体液中におけるZrの耐食性に及ぼす合金化の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中野成之, 下条雅幸, 野田和彦, 堤 祐介, 蘆田茉希, 陳 鵬, 土居 壽, 塙 隆夫
  • 学会等名: 日本金属学会2013年秋期（第153回）講演大会
  • 発表場所: 金沢大学角間キャンパス, 金沢
• [学会発表] 塩化物イオン環境中におけるジルコニウムの耐食性に及ぼす合金元素の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中野成之, 堤 祐介, 土居 壽, 下条雅幸, 野田和彦, 塙 隆夫
  • 学会等名: 腐食防食学会第60回材料と環境討論会
  • 発表場所: コラッセふくしま, 福島
• [産業財産権] 生体用合金及び医療用品 (2016)
  • 発明者名: 塙 隆夫, 堤 祐介
  • 権利者名: 塙 隆夫, 堤 祐介
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 2016-175110
  • 出願年月日: 2016-09-08
• [産業財産権] 金属積層造形用ジルコニウム合金粉末、及びそれを使用したインプラントの製造方法 (2016)
  • 発明者名: 塙 隆夫, 堤 祐介, 土居 壽, 野村直之 外3名
  • 権利者名: 塙 隆夫, 堤 祐介, 土居 壽, 野村直之 外3名
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 2016-173531
  • 出願年月日: 2016-09-06