研究課題
若手研究(A)
真核生物のシグナル伝達経路は、発生、分化やがんなど人の営みに深くかかわる様々な細胞現象の根幹をなしている。その原理を解明しようとする計算生物学の分野でも研究が続けられてきたが、細胞膜や核、染色体などの複雑な構造を含む細胞内でほんの数個の分子のふるまいが決定的な意味を持つシグナル伝達経路を分子一つ一つのふるまいから計算することはこれまで非常に困難であった。我々はこの困難を解決すべくグリーン関数動力学法と呼ばれる新規技法を開発し、厳密かつ高速な反応拡散シミュレーションを実現した。本研究ではこれをさらに並列化することでひとつの細胞をまるごと含めたシグナル伝達経路の1分子粒度での計算を可能にした。