哺乳類における個体の社会的変遷：行動戦略・適応度・個体群動態を解明する統合生態学

• 研究課題/領域番号: 25711025
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 一部基金
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 総合研究大学院大学
• 研究代表者: 沓掛 展之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 講師 (20435647)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 26,650千円 (直接経費: 20,500千円、間接経費: 6,150千円); 2016年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2015年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2014年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円); 2013年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
• キーワード: 哺乳類 / 社会 / 生活史 / 行動生態学 / 血縁淘汰 / 社会行動 / 協力行動 / 行動生態 / 認知 / 適応度 / 行動 / 生態 / 進化

研究成果の概要

哺乳類の社会において、個体は異なる社会的段階、繁殖、生活史（年齢、出生群からの移出入）のステージを経る。その一連の過程は、社会的変遷（social trajectory）と呼ばれ、個体の異質性（individual heterogeneity）を形成する要因であるのみならず、個体より上位の社会的・生態学的現象に影響する要因である。本研究では、哺乳類の社会性・社会行動を、個体の異質性を考慮して分析し、新たな社会生態学的特徴を検出することを目的とした。複数種を対象にした野外調査、行動観察、生理的測定、系統種間比較を行い、適応論的予測に合致する発見を行った。

研究成果

• [雑誌論文] The evolution of male infanticide in relation to sexual selection in mammalian carnivores. (2018)
  • 著者名/発表者名: Harano T, Kutsukake N.
  • 雑誌名: Evolutionary Ecology 巻: 32 号: 1 ページ: 1-8
  • DOI: 10.1007/s10682-017-9925-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] Asian elephants acquire inaccessible food by blowing. (2016)
  • 著者名/発表者名: Mizuno K, Irie N, Hiraiwa-Hasegawa M, Kutsukake N.
  • 雑誌名: Animal Cognition 巻: 19 号: 1 ページ: 215-222
  • DOI: 10.1007/s10071-015-0929-2
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Bayesian estimation of competitiveness in male house finches: small-billed males are more competitive.  (2015)
  • 著者名/発表者名: Hasegawa M, Giraudeau M, Kutsukake N, Watanabe M, McGraw KJ.
  • 雑誌名: Animal Behaviour 巻: 108 ページ: 207-214
  • DOI: 10.1016/j.anbehav.2015.07.027
  • 査読あり
• [雑誌論文] Bayesian competitiveness estimation predicts dominance turnover among males in wild chimpanzees.  (2015)
  • 著者名/発表者名: Hasegawa M, Kutsukake N.
  • 雑誌名: Behavioral Ecology and Sociobiology 巻: 69 号: 1 ページ: 89-99
  • DOI: 10.1007/s00265-014-1821-9
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Mating competition, promiscuity and life history traits as predictors of sexually transmitted disease risk in primates. (2014)
  • 著者名/発表者名: Nunn CL, Scully EJ, Kutsukake N, Ostner J, Schülke O, Thrall PH.
  • 雑誌名: International Journal of Primatology 巻: 35 号: 3-4 ページ: 764-786
  • DOI: 10.1007/s10764-014-9781-5
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Mating competition, promiscuity and life history traits as predictors of sexually transmitted disease risk in primates. (2014)
  • 著者名/発表者名: Nunn CL, Scully EJ, Kutsukake N, Ostner J, Schulke O, Thrall PH.
  • 雑誌名: International Journal of Primatology. 巻: 未定
  • 査読あり
• [雑誌論文] Detecting phenotypic selection by approximate Bayesian computation (ABC) in phylogenetic comparative methods. (2014)
  • 著者名/発表者名: Kutsukake N, Innan H.
  • 雑誌名: Modern Phylogenetic Comparative Methods and their Application in Evolutionary Biology - Concepts and Practice 巻: 未定
  • 査読あり
• [雑誌論文] Head rubbing and licking reinforce social bonds in a group of captive African lions, Panthera leo. (2013)
  • 著者名/発表者名: Matoba T, Kutsukake N, Hasegawa T.
  • 雑誌名: PLOS ONE 巻: 8
  • NAID: 120006769753
  • 査読あり
• [学会発表] 鳥類と霊長類の比較認知行動学 (2017)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之
  • 学会等名: 第64回日本生態学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2017-03-14
  • 招待講演
• [学会発表] ニホンザル野生群におけるinfant handling：Biological Market理論の検証 (2017)
  • 著者名/発表者名: 関澤麻伊沙、沓掛展之
  • 学会等名: 第64回日本生態学会 2017/3/14-18
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2017-03-14
  • 招待講演
• [学会発表] 食肉目のオスによる子殺しと性選択：生態的条件の異なる分類群を含む系統種間比較 (2017)
  • 著者名/発表者名: 原野智広、沓掛展之
  • 学会等名: 第64回日本生態学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2017-03-14
  • 招待講演
• [学会発表] Individual heterogeneity and social complexity in mammals. (2017)
  • 著者名/発表者名: Kutsukake, N.
  • 学会等名: Anthropologisches Kolloquium, Univ Zurich
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 半野生馬の生活史履歴と人口学的特徴 (2017)
  • 著者名/発表者名: 8.坪山佳織・秋田優・沓掛展之
  • 学会等名: 行動2017
• [学会発表] 食肉目の子殺しと性的二型の関係に対する系統種間比較：陸と海で異なる？ (2016)
  • 著者名/発表者名: 原野智広、沓掛展之
  • 学会等名: 日本動物行動学会第３５回大会
  • 発表場所: 新潟
  • 年月日: 2016-11-11
  • 招待講演
• [学会発表] 協力をめぐる競争？ 真社会性ハダカデバネズミにおける集団的意思決定と労働の妨害 (2016)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之・稲田正幸・坂本信介・岡ノ谷一夫
  • 学会等名: 第１８回日本進化学会
  • 発表場所: 東工大
  • 年月日: 2016-08-25
  • 招待講演
• [学会発表] A novel phylogenetic comparative method incorporating a flexible link between discrete and continuous traits (2016)
  • 著者名/発表者名: Haba, Y., Kutsukake, N.
  • 学会等名: 第１８回日本進化学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-08-25
  • 招待講演
• [学会発表] ニホンザル野生群において近接する他個体が個体のストレスレベルに与える影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 関澤麻伊沙、沓掛展之
  • 学会等名: 日本霊長類学会
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2016-07-15
  • 招待講演
• [学会発表] 捕食リスクはメスの角の進化を促すのか：ウシ科における系統種間比較 (2016)
  • 著者名/発表者名: 原野智広、沓掛展之
  • 学会等名: 第63回日本生態学会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2016-03-20
• [学会発表] ニホンザル野生群におけるinfant handlingの機能検証 (2016)
  • 著者名/発表者名: 関澤麻伊沙、沓掛展之
  • 学会等名: 第63回日本生態学会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2016-03-20
• [学会発表] 協力的社会の進化における家族の重要性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之
  • 学会等名: 日本動物学会第８７回大会
  • 発表場所: 沖縄
  • 招待講演
• [学会発表] 動物社会における権力と不平等(Power and inequality in animal societies) (2016)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之
  • 学会等名: 社会動態セミナー & 第２回川内茶会セミナー
  • 発表場所: 東北大学
  • 招待講演
• [学会発表] ウシ科におけるメスの角の進化と捕食リスクとの関係 (2015)
  • 著者名/発表者名: 原野智広、沓掛展之
  • 学会等名: 日本動物行動学会
  • 発表場所: 東京海洋大
  • 年月日: 2015-11-20
• [学会発表] 多様性のパターンから進化プロセスを探る系統種間比較 (2015)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之
  • 学会等名: 日本進化学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-08-20
  • 招待講演
• [学会発表] ニホンザル野生群におけるinfant handlingの意義 (2015)
  • 著者名/発表者名: 関澤麻伊沙、沓掛展之
  • 学会等名: 日本霊長類学会
  • 発表場所: 京都大
  • 年月日: 2015-07-18
• [学会発表] Asian elephants acquire inaccessible food by blowing.  (2015)
  • 著者名/発表者名: Mizuno K, Irie N, Hiraiwa-Hasegawa M, Kutsukake N.
  • 学会等名: The 52nd Annual Conference of the Animal Behavior Society
  • 発表場所: Anchorage, Alaska
  • 年月日: 2015-06-10
  • 国際学会
• [学会発表] 肉食性哺乳類の長く伸びた牙：現生種と化石種における方向性淘汰の類似性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 原野智広、沓掛展之
  • 学会等名: 第62回日本生態学会 企画集会「系統関係に基づく種間比較研究の最新の展開」
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2015-03-18 – 2015-03-22
  • 招待講演
• [学会発表] 野生ニホンザルにおけるinfant handlingの頻度に影響を与える要因 (2015)
  • 著者名/発表者名: 関澤麻伊沙、沓掛展之
  • 学会等名: 第62回日本生態学会
  • 発表場所: 鹿児島
  • 年月日: 2015-03-18 – 2015-03-22
• [学会発表] 長大な犬歯の進化：絶滅生物vs.現生生物における方向性選択の比較 (2014)
  • 著者名/発表者名: 原野智広、沓掛展之
  • 学会等名: 第33回日本動物行動学会
  • 発表場所: 長崎大
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] ベイズ推定によるチンパンジー雄の順位変遷予測 (2014)
  • 著者名/発表者名: 長谷川克、沓掛展之
  • 学会等名: 第33回日本動物行動学会
  • 発表場所: 長崎大
  • 年月日: 2014-11-01 – 2014-11-03
• [学会発表] 哺乳類における社会的ストレスとその対処 (2014)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之
  • 学会等名: 第85回日本動物学会
  • 発表場所: 東北大
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
  • 招待講演
• [学会発表] 飼育下アジアゾウの息の吹きかけ行動で見られる物理的知性 (2014)
  • 著者名/発表者名: 水野佳緒里、入江尚子、長谷川眞理子、沓掛展之
  • 学会等名: 日本哺乳類学会2014年度大会
  • 発表場所: 京都大
  • 年月日: 2014-09-04 – 2014-09-07
• [学会発表] Influence of other individuals in proximity on stress level in wild Japanese macaques. (2014)
  • 著者名/発表者名: Sekizawa M, Kutsukake N
  • 学会等名: International Primatological Society Congresses
  • 発表場所: Vietnam
  • 年月日: 2014-08-11 – 2014-08-16
• [学会発表] 飼育下アジアゾウにおける息の吹きかけ行動 (2013)
  • 著者名/発表者名: 水野佳緒里、入江尚子、長谷川眞理子、沓掛展之
  • 学会等名: 第32回日本動物行動学会
  • 発表場所: 広島
• [図書] 群れと社会性 「動物学の百科事典」 (2017)
  • 著者名/発表者名: 羽場優紀・沓掛展之
  • 出版者: 丸善
• [図書] 動物はなぜ群れを形成するのか 【ホルモンから見た生命現象と進化シリーズ】第７巻 生体防御・社会性ー守ー (2016)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之・加藤貴大
  • 出版者: 裳華房
• [図書] 動物はなぜ群れを形成するのか In:【ホルモンから見た生命現象と進化シリーズ】第７巻 生体防御・社会性ー守ー (2016)
  • 著者名/発表者名: 沓掛展之・加藤貴大
  • 出版者: 裳華房
• [図書] Aggression and conflict management. In: Mahale Chimpanzees: 50 Years of Research (2015)
  • 著者名/発表者名: Kutsukake N, Hosaka K
  • 出版者: Cambridge University Press.
• [図書] Mahale Chimpanzees: 50 Years of Research (Aggression and conflict management) (2015)
  • 著者名/発表者名: Kutsukake N, Hosaka K.
  • 出版者: Cambridge University Press
• [備考] 総研大プレスリリース：届かない食べ物に息を吹きかけて獲得するアジアゾウの発見
  • URL: https://www.soken.ac.jp/news/23468/
• [備考] 研究者ホームページ
  • URL: https://sites.google.com/site/nkutsukake/
• [備考] 個人
  • URL: https://sites.google.com/site/nkutsukake/