研究課題
若手研究(B)
要支援や軽度要介護認定者の急増に対し、手段的日常生活活動(IADL)の低下予防における具体的対策についての議論がされているが、従来のIADL指標が要支援者の評価に妥当であるかは十分検討されていない。そこで本研究では、当センターで開発したIADL評価指標(National Center for Geriatrics and Gerontology-Functional Assessment Tool: NCGG-FAT)の予測妥当性を検討するため、要支援認定を受けた高齢者を対象とした要介護認定の追跡調査を実施し、要介護認定の悪化がNCGG-FATにより予測可能かを検討することを目的とした。対象者は、全国の通所介護サービスを受給する要介護認定高齢者であり、平成24年度実施した調査データをベースラインとした縦断データの構築を行った。集計の際には、ベースライン検査結果が要支援1,2のみにかぎらず、要介護認定を受けて同意が得られた人に対し、介護認定情報の変移を確認した。分析対象者数は当初計画より増え10582名であり、13ヶ月間の介護認定情報の変化を追跡した。目的変数は要介護認定とした。13ヶ月間で1ヶ月度の認定情報を確認し、介護認定状況が悪化した群と維持・改善した群に分け、その関連要因を調べた。説明変数としては、年齢、性別、併存疾患、ベースライン時の介護認定状況とNCGG-FATとした。分析の結果、介護認定状況が悪化した群は年齢が高く、呼吸器疾患や認知症の人が多く見られた。また、ベースライン時の介護認定状況が軽度である人や、NCGG-FATによる生活機能が低かった。多変量分析を用いた結果、要介護認定のリスクに関連していたのは、年齢が高い、治療中の疾病あり、服薬数多い、NCGG-FATによる生活機能が低いこと、でった。本研究により、NCGG-FATによる予測妥当性が確認され、要介護認定変移との関連がみとめられた。
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