研究課題/領域番号 |
25770020
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
倉本 尚徳 龍谷大学, アジア仏教文化研究センター, 博士研究員 (30598298)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2013年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 浄土 / 仏教 / 唐代 / 龍門石窟 / 善導 / 造像銘 / 中国 / 地域社会 |
研究概要 |
本研究は唐代地域社会における浄土信仰の変容について、各地の造像銘を主要資料として探ることを目的としたものである。平成25年度は、当初の計画通り、北朝から唐代にいたる龍門石窟の有紀年造像銘を網羅的に収集し、そこから天や浄土に関する用語を抽出して整理分類し、北魏時代から唐代に至る変化を考察した。その結果、北魏では、様々な天に関する用語が使用されたが、唐代においては「浄土」の一語へ収斂する傾向が明瞭に見られることを明らかにした。また、浄土教の祖師である善導の著作を引用する造像銘も出現することを新たに発見し、6月に北京の中国人民大学で開催された国際会議においてその研究成果を発表した。また、会議参加と同時に北京大学図書館と中国国家図書館において資料調査を行った。さらに、8月には龍門石窟に赴き、浄土教関係の造像銘を調査した。9月には、造像銘拓本を多数所蔵する淑徳大学書学文化センターへ調査に赴き、唐代造像銘拓本の写真撮影と文字移録作業を行った。 以上の調査の過程で、善導の影響が明瞭に見られる龍門石窟造像銘について、既存の著書に収録された録文には大きな過誤があることに気づき、新たに作成した録文とその内容に関する考察を『東アジア仏教学術論集』に掲載した。 これまで、龍門石窟において、北魏時代は釈迦・弥勒の造像が中心であったが、唐代には阿弥陀造像が急激に増加する原因として、善導浄土教の影響があるということは既に指摘されていた。しかし、直接的にそれを示す具体的資料は提示されてこなかった。今回の調査に基づき新たに提示した資料により、唐代浄土信仰の変化に善導浄土教が果たした役割をより具体的に考察できる段階に入ったと言える。 今回、研究代表者の海外研究機関への所属変更に伴い、助成事業は中途で廃止となるが、唐代の各地域における浄土信仰の変容について善導浄土教の影響を中心に考察を進めていく予定である。
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