研究課題/領域番号 |
25770092
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
藤井 由紀子 (青谷由紀子 / 青谷 由紀子 / 藤井 由紀子(青谷由紀子)) 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (70551943)
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研究協力者 |
秋本 吉徳
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2013年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 中世王朝物語 / 兵部卿物語 / ジャンル横断 / 注釈 / 源氏物語享受 / 狭衣物語享受 / 徒然草享受 / ジャンル間交渉 / 物語文学 / 説話文学 / 源氏物語 / 日記文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、中世王朝物語を対象に、〈作り物語〉がいかにして生成するのかを考察したものである。具体的には、『兵部卿物語』(作者・成立年代ともに不明)について分析した。 『兵部卿物語』の本文の詳細な検討により、『源氏物語』『狭衣物語』を組み合わせて模倣する特徴を指摘した。また、『徒然草』から強い影響を受けていること、物語内の地理が平安・鎌倉期の京都とは一致しないこと、文法・語彙が室町期以降の使用傾向を持つことなどから、成立年代は室町期以前には遡れないことを明らかとした。以上の研究成果は、『兵部卿物語全釈』(武蔵野書院、2019年)にまとめ、刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『兵部卿物語』は、中世王朝物語の中でも研究の進んでいない作品であり、先行論文の数も少ない。これまでに注釈・現代語訳も発表されているが、最新のものでも二十年以上前のものであった。そのような状況下で、本研究の成果が注釈書というまとまった形で刊行されたことは、研究の進展に大きく寄与するものであることは間違いない。また、これまで『兵部卿物語』には入手しやすい活字テキストが存在しなかったため、現代語訳も付された本書の刊行によって、一般にも本物語が広く知られる契機を作ることができたと考える。
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