研究課題/領域番号 |
25770110
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
松浦 愛子 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (70457919)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2013年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 戯曲出版 / 19世紀英国演劇 / 19世紀著作権法 / トランスアトランティック / 19世紀米国演劇 / サミュエルフレンチ社 / 国際著作権法 / 上演権 / 英米著作権法 / 再版 / 劇場 / 19世紀演劇 / イギリス / 著作権法 / 演劇 / Samuel French |
研究成果の概要 |
19世紀英国演劇は米国市場への進出により、従来の各国史の枠組みを超える多元的な文化現象(trans-atlantic) を形成した。英国劇作家の戯曲は一国の法制度を超えて出版され、流通した。国際著作権法(1891年)以前の戯曲出版について、英米の戯曲出版を独占したサミュエル・フレンチ社がどのような出版活動を行なったかを調査した。その結果、上記の不完全な法環境のもと、劇作家が原本の出版を手控えたため、出版社が米国で英国作家の戯曲の海賊版を作成したことが明らかになった。その後、サミュエル・フレンチ社は作家の代理人業務に関わり、著作権を行使するために、海賊版を原本として頒布した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はこれまで見落とされてきた劇作と出版社の関係に注目し、いかにして当時の著作権をめぐる国際環境が劇作の実践に影響を及ぼしたのかを第一次資料をもって実証・分析した。19世紀後半の英米2カ国間の戯曲出版の実践を考察し、従来まで説明不可能であった異本の形成過程を明らかにすることで、19世紀の劇場史研究に貢献できるものと考える。 国境を超えた著作権の問題の考察により、多様な著作権のあり方について歴史的一例を示した本研究において得られた知見は、今日のグローバル化したデジタルコンテンツ時代の著作権法研究においても意義があると考える。
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