研究課題
若手研究(B)
本研究では、従来アメリカ文学における女性像の研究においてほとんど注目されてこなかった“girl”(少女、結婚前の若い女性)像の特殊性に焦点を当て、1850年~1920年のアメリカ文学における少女・女性像を考察した。本研究は報告者の「アメリカンガール」像に関する継続的研究をさらに発展させたものであり、特にこれまであまり研究されてこなかった、19世紀半ばのヴィクトリア朝期から世紀転換期に至る過程の“girl”像の変化を中心に考察を行った。
“girl”というカテゴリーを軸に、世紀転換期前後のアメリカ文学における少女・女性表象を広く考察する本研究は、アメリカ文学における女性表象研究の発展に寄与し得る、意義のあるものと考えられる。さらに本研究では、小説における「アメリカンガール」表象を当時の文化状況全体の中で捉えていくことに加え、「アメリカ」という国家の問題と女性の社会進出という問題を交差させて論じることを目指しており、その研究結果は、文学研究のみならず、社会・文化研究としてのアメリカ研究の発展にも大いに寄与し得る。
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『武蔵大学人文学会雑誌』
巻: 第49巻第2号 ページ: 63-83
120006491094