本研究の目的は、中国語の複畳形式の代表とも言えるAABB形式について、形態と機能の対応関係を明らかにすることにある。本研究では、主に動詞から成るAABB形式、名詞性成分から成るAABB形式について、詳細な記述や統計調査をおこない、AABBの原型となる語の意味的特徴がAABBの機能と密接に関連すること、とりわけ原型が〈小さな事物や動きの集合〉や〈限界性を持たない事物や動き〉を表す場合にAABBの中心義である「多量性」が「遍満性」の意味を経て「状態性」へ変化すること、「状態性」を獲得した成員は述語や連用修飾語になりやすいことなどを論証した。
|