本研究は、民事法の様々な領域において、実体的な基準による規制が行なわれてきた事項に関して、利害関係者自身によって形成される規律や交渉が重視され、国家の規制が間接にとどめられるようになっているという事態を、「手続化(プロセス化)」という概念で把握し、その意義と限界を検討することを目的とするものである。 本研究の成果として、契約法の領域においては、事情変更法理の意義と内容、再交渉義務との関係、仲裁法制との関係などを明らかにする著書・論文を公表したほか、不法行為法の領域においては、被害者の意思的関与によって不法行為の成否、責任の内容がどのように影響されるのかを検討する論文を公表した。
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