研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は東南アジアの民主化を捉える新しい分析視座の提示にあった。先行研究において、東南アジアにおける民主化は、市民社会勢力が主導する「下からの民主化」として説明されてきた。これに対して、本研究は、権威主義体制下のパトロネジ・システムで周縁化された「負け組」が、「民主化」の名の下に権力や利権の再配分を進めた過程に注目した。その上で、パトロネジ・システム再編成の手段として「民主化」を捉える分析視座を構築した。2013年度前半は、先行研究を改めて検証すると共に、過去の関連報道や各種資料を収集した。さらに、現地調査を通じて、現地資料の収集や東南アジア各国の民主化プロセスに知見を有する関係者へのインタビューを行うことで、同地域の民主化の再解釈を行う上で必要な情報収集を行った。2013年度後半は、収集したデータを整理・分析した上で、東南アジアの民主化を捉える代替視座を構築した。同時に、研究成果の発信にも取り組んだ。研究成果の一部は2013年度の日本比較政治学会にて報告し、また、テンプル大学や早稲田大学で招待講演も行った。さらに、The Pacific ReviewやJournal of Contemporary Asiaといった東南アジア研究における主要ジャーナルにて論文を出版し、Routledge Handbook of Southeast Asian Democratizationへ一章寄稿するなど、国際的な研究成果の発信も実現した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
The Pacific Review
巻: forthcoming
Journal of Contemporary Asia
巻: forthcoming 号: 3 ページ: 540-552
10.1080/00472336.2014.895026