本研究では、発展途上国における貨幣需要関数およびドル化問題の検証を行う。ドル化が進展しているカンボジアに特に注目し、データが入手可能な期間内で貨幣需要関数の推計を行ない、推計したモデルの安定性も検証した。現在、カンボジアは、ドル化の現象を改善するために、様々な政策を模索しているが、ドル化の進展は、経済にとってデメリットとメリットの両方があり、両者の比較考量が重要な課題となる。本研究では、メリットとデメリットを定量的に検証するため、カンボジア国立銀行の資料・データや国際通貨基金のデータベースなどに基づいて、分析に必要なデータセットの準備も行った。
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