研究成果の概要 |
本研究では,保育者の子ども理解の深化プロセスを明らかにした結果,次の成果が得られた。(1)初任保育者は過去体験や感情制御の困難さの影響を受けやすいこと,子どもをわかりたいという切望が転機となり深化していたことが見出された。(2)保育者を取り巻く社会的背景は,子ども理解の深化を抑制・助長する要因として影響を及ぼしていた。(3)保育者のキャリア発達に伴い,子ども理解の視点は多元的・持続的であった。(4)子ども理解の構成因として3要因が見出され,“理解の難しさ”は6年目以降に和らぐこと,“包括的相互理解”と“敏感性”は10年目以降に高まることが示唆された。
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