本研究は、児童生徒間で発生するいじめの特徴の把握、および介入プログラム開発を目的として開始された。まず従来のいじめ研究を展望し、被害者と加害者のカップリングの中で生じる「いじめシステム」を想定する必要性を示した。続いて、「友人としての関係性を脅かしたり、その関係性を盾に相手を攻撃する行為」を「関係性いじめ」と捉え、その特徴を分析したところ、友人親密度の認識には被害者と加害者の間で差があり、それが関係性いじめの発生や維持に影響している可能性が示唆された。次に、諸外国で開発された主要な3つのいじめ予防プログラムを展望し、その特徴と課題について考察した。
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