研究課題/領域番号 |
25800026
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
坂本 玲峰 東京理科大学, 理学部, 助教 (30528055)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
採択 (2013年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 艤装配位 / 結晶基底 / ベーテ仮説法 / ハイゼンベルグ模型 / XXX模型 / スピン系 / 箱玉系 |
研究概要 |
本年度はベーテ仮説法の基礎付けに関する研究を行った。ベーテ仮説法とは量子力学が建設途上であった1931年に量子多体系に対する数学的理論を構成することを目的として登場したハンス・ベーテ(ノーベル物理学賞受賞者)による有名な論文で導入された。当初は磁性体の理論の最も基本的なモデルである一次元ハイゼンベルグ模型(またはXXX模型)の厳密解を与える理論であり、その後80年以上の間C.N.YangやL.D.Faddeevをはじめとする錚々たる研究者達によって理論が深められてきた。 しかしながら一番最初にベーテが扱った場合においてすら、ベーテ本人が原論文ですでに指摘していたように、物理的な状態が構成できない場合が存在するという深刻な困難が存在し、長年の間解決の糸口すらつかめない混乱した状況が続いていた。この問題について昨年Nepomechie等がXXX模型の失われた物理的状態を回復するための鍵となる枠組みを提案した。これまでも同様の趣旨の提案は数多く存在したが、筆者は京大数理研のKirillov氏と共同でベーテ方程式の解を本格的に検討した結果、今回の提案が艤装配位と呼ばれる数学的構造を持っていることを発見し、従って本質的進展と判断してよいことを指摘した。その帰結としてこれまで全く不明であったベーテ方程式の解の個数について現状の数値計算の結果を全て再現する予想を見出し、ベーテ仮説法の理論的基礎付けに対する貢献を行った。 そのほかに本年度は艤装配位写像と結晶基底に関する研究を行った。本研究課題開始以前に行った研究で与えた柏原作用素と艤装配位写像の可換性の証明につき、専門誌掲載時の審査員の指摘により証明の不備を正した。またD型Kirillov-Reshetikhinクリスタルに対する艤装配位写像の構成について研究を継続し、重要な進展をあげたが、年度内には完成できず継続して研究を行うこととなった。
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