活動銀河核ジェット残骸の多波長スペクトルから迫る無衝突衝撃波の物理

• 研究課題/領域番号: 25800099
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 天文学
• 研究機関: 呉工業高等専門学校
• 研究代表者: 川勝 望 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 准教授 (30450183)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円); 2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: 理論天文学 / 無衝突衝撃波 / 相対論的ジェット / 超巨大ブラックホール

研究成果の概要

相対論的ジェットと周囲のガスとの相互作用により形成される“活動銀河核(AGN)ジェット残骸(繭とシェルで構成)”の力学進化とその残骸からの熱的・非熱的放射を整合的に解き、AGNジェット残骸からの多波長スペクトルの時間進化を調べた。これにより、AGNシェルでの粒子加速や磁場増幅の素過程について議論を行った。さらに、AGNジェット残骸の力学モデルから制限される繭の全圧と繭の状態方程式から、繭のプラズマ組成に制限する方法を考案し、ジェットパワーの既に分かっている電波銀河４天体に適応した。その結果、全ての４天体に対して、電子・陽電子ペアプラズマの混在が必要不可欠であることが分かった。

研究成果

• [雑誌論文] AGN jet power, formation of X-ray cavities, and FR I/II dichotomy in galaxy clusters (2016)
  • 著者名/発表者名: Fujita, Yutaka, Kawakatu, Nozomu, Shlosman, Isaac
  • 雑誌名: Publications of the Astronomical Society of Japan 巻: 68 号: 2 ページ: 26-46
  • DOI: 10.1093/pasj/psw012
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Evidence for a significant mixture of electron/positron pairs in FRII jets constrained by cocoon dynamics (2016)
  • 著者名/発表者名: Kawakatu, Nozomu; Kino, Motoki; Takahara, Fumio
  • 雑誌名: Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 巻: 457 号: 1 ページ: 1124-1136
  • DOI: 10.1093/mnras/stw010
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The young radio lobe of 3C 84: inferred gas properties in the central 10 pc (2016)
  • 著者名/発表者名: Y. Fujita, N. Kawakatu, I. Shlosman, & H. Ito
  • 雑誌名: Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 巻: 455 号: 3 ページ: 2289-2294
  • DOI: 10.1093/mnras/stv2481
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Fossil shell emission in dying radio loud AGNs (2016)
  • 著者名/発表者名: Kino, Motoki, Ito, Hirotaka, Kawakatu, Nsonomu, Orienti, Monica, Nagai, Hiroshi, Wajima, Kiyoaki, Itoh, Ryo
  • 雑誌名: Astronomische Nachrichten 巻: 337 号: 1-2 ページ: 47-52
  • DOI: 10.1002/asna.201512263
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Fate of Dead Radio-loud Active Galactic Nuclei: New Prediction of Long-lived Shell Emission (2015)
  • 著者名/発表者名: Ito, Hirotaka; Kino, Motoki; Kawakatu, Nozomu; Orienti, Monica
  • 雑誌名: The Astrophysical Journal 巻: 未定
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] New Class of Very High Energy y-Ray Emitters: Radio-dark Mini Shells Surrounding Active Galactic Nucleus Jets (2013)
  • 著者名/発表者名: Kino, et al.
  • 雑誌名: Astrophysical Journal 巻: 764 号: 2 ページ: 134-139
  • DOI: 10.1088/0004-637x/764/2/134
  • 査読あり
• [学会発表] 活動銀河核の活動性と銀河核ガス円盤の幾何学構造の関係 (2016)
  • 著者名/発表者名: 川勝望，和田桂一
  • 学会等名: 日本天文学会春季年会
  • 発表場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス
  • 年月日: 2016-03-14
• [学会発表] 活動銀河核3C84 の近傍10pc のガスの状態の推定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 藤田裕, 川勝望, Isaac Shlosman, 伊藤裕貴
  • 学会等名: 日本天文学会春季年会
  • 発表場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス
  • 年月日: 2016-03-14
• [学会発表] 超大質量ブラックホールに付随するcircum nuclear disk がブラックホール成長に与える影響についての準解析的銀河形成モデルを用いた研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 白方光, 川勝望, 和田桂一, 榎基宏, 岡本崇, 長島雅裕
  • 学会等名: 日本天文学会春季年会
  • 発表場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス
  • 年月日: 2016-03-14
• [学会発表] AGNの活動性とsub-kpcの遮蔽構造について (2015)
  • 著者名/発表者名: 川勝望
  • 学会等名: AGN銀河の中心1kpc→1pcスケールでの質量降着機構の理解に向けて
  • 発表場所: 国立天文台 三鷹キャンパス
  • 年月日: 2015-12-21
  • 招待講演
• [学会発表] z∼3のQSO9天体で探る超巨大ブラックホールと母銀河の共進化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 濟藤祐理子, 美濃和陽典, 今西昌俊, 川口俊宏, 諸隈智貴, 峰崎岳夫, 長尾透， 大井渚, 川勝望, 松岡健太, 鮫島寛明
  • 学会等名: 日本天文学会秋季年会
  • 発表場所: 甲南大学 岡本キャンパス
  • 年月日: 2015-09-09
• [学会発表] 超巨大ブラックホール成長と銀河核ガス円盤の関係 (2015)
  • 著者名/発表者名: 川勝望、和田桂一（鹿児島大）
  • 学会等名: 日本天文学会春季年会
  • 発表場所: 大阪大学 豊中キャンパス（大阪府・豊中市）
  • 年月日: 2015-03-18 – 2015-03-21
• [学会発表] ジェットから探る巨大ブラックホール周辺の環境 (2014)
  • 著者名/発表者名: 藤田裕(大阪大)、川勝望、 Shlosman Isaac（ケンタッキー大/大阪大）
  • 学会等名: 第27回 理論天文学宇宙物理学懇談会シンポジウム-理論天文学・宇宙物理学との境界領域‐
  • 発表場所: 国立天文台三鷹キャンパス（東京都・三鷹市）
  • 年月日: 2014-12-24 – 2014-12-26
• [学会発表] 銀河核ガス円盤と超巨大ブラックホールとの共進化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川勝望、和田桂一（鹿児島大）
  • 学会等名: 第27回 理論天文学宇宙物理学懇談会シンポジウム-理論天文学・宇宙物理学との境界領域‐
  • 発表場所: 国立天文台 三鷹キャンパス（東京都・三鷹市）
  • 年月日: 2014-12-24 – 2014-12-26
• [学会発表] 超巨大ブラックホール形成はどこまで分かってきたか？：現状と今後の課題 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川勝望
  • 学会等名: 九州天文若手ゼミナール
  • 発表場所: 九州大学 箱崎キャンパス（福岡県・福岡市）
  • 年月日: 2014-07-19
  • 招待講演
• [学会発表] Exploring thermal emission from AGN jet remnants with LOFAR/SKA (2013)
  • 著者名/発表者名: 川勝 望
  • 学会等名: SKA Science Workshop in East Asia 2013
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県，名古屋市）
• [学会発表] Physics of AGN cocoons (2013)
  • 著者名/発表者名: 川勝 望
  • 学会等名: East-Asia AGN Workshop 2013
  • 発表場所: 札幌（北海道, 札幌市）
• [学会発表] 逆コンプトン赤外線で探るコクーンに潜む相対論的熱的電子 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川勝 望, 紀 基樹
  • 学会等名: 日本天文学会秋季年会
  • 発表場所: 東北大学（宮城県，仙台市）