本研究において、強い相互作用の基礎理論である量子色力学(QCD)に基づき直接エキゾチック・ハドロンの構造を探ることを行った。特に近年注目を集めているチャームクォークを含むエキゾチックハドロンの候補について、ハドロン間相互作用を強い相互作用の第一原理計算である格子QCDを用いて導出し、その構造について探った。 本研究では、Tcc, Tcsと呼ばれるテトラクォークの候補について、また、近年実験で報告されたZc(3900)について、格子QCDによるハドロン間相互作用を用いた理論解析をとおしてその構造を明らかにした。この構造が実験で得られるスペクトルに与える影響についても議論した。
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