研究成果の概要 |
2次元分子性結晶ET塩の電荷の異常応答の実験に動機づけられ, 量子多体効果を本質的な要因とする電荷の不均一や特徴的な応答を理解する一般論の構築に向け, 複数の手法の発展及び開発を行うとともに, 実験現象を解明することに成功した. 量子モンテカルロ法における動的応答関数の計算法を提案, 横磁場イジングモデルに適用し, 周波数分散をもつ誘電応答が本質的には臨界現象による相関長や相関時間の発散に由来することを明らかにした. ハミルトニアンを空間変調することによってスケールフリーな物理量を求めるグランドカノニカル法で, 10サイト程度の系で10の-3乗の誤差で熱力学極限での磁化率,比熱を得た.
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