研究課題
若手研究(B)
本研究では高偏極化した核スピンを用いた磁気相転移の量子シミュレータの開発を行った。2つの動的核偏極手法を用いて核スピンを高偏極化し、実効的に核スピン温度を冷却した。不対電子スピンの熱平衡状態を用いた動的核偏極では、小電力で電子・核を操作できる共振器を開発し、CaF2結晶中の19Fスピン偏極を50%程度に高めることに成功した。光励起三重項状態を用いた動的核偏極ではp-テルフェニル結晶中の1Hスピンの偏極を34%まで高めた。平均場近似を用いてp-テルフェニル結晶の磁気相転移に必要な偏極率を計算した結果、26%で強磁性秩序に相転移することが分かった。
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Proc. Natl. Acad. Sci.
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