ブドウ根頭がんしゅ病新規拮抗細菌の環境中の動態と防除機構の解明

• 研究課題/領域番号: 25850038
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 植物保護科学
• 研究機関: 岡山県農林水産総合センター(農業研究所)
• 研究代表者: 川口 章 岡山県農林水産総合センター(農業研究所), その他部局等, 研究員 (80520486)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 中途終了 (2014年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2013年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 病原性発現抑制 / RT-qPCR / 根頭がんしゅ病 / 拮抗作用機構 / 植物病害 / 生物防除 / 抗菌物質 / 抵抗性誘導 / 拮抗細菌

研究実績の概要

これまでに，ARK-1株の拮抗作用機構の解明を進めてきた結果，ブドウ樹体内においてARK-1株は病原細菌の菌数を1/10程度まで減少させることが確認されたが，ARK-1と病原細菌の混合接種において，接種1～5日後までは明瞭な差は認められなかった．
このことから，ARK-1株がブドウに接種された初期の段階で、どのような拮抗作用機構を示すのかを確認するために，ARK-1株と病原細菌をブドウ1年生実生苗の主幹部に等量混合接種した際の主幹内における病原性関連遺伝子群の発現量を測定した．
その結果，ARK-1株を混合した接種部位の発現量は病原細菌の単独接種における発現量の1/3～1/7まで低下していた．以上より，ARK-1株の拮抗作用機構には，短期的には病原細菌の病原性発現の抑制が，長期的には病原細菌の増殖抑制が関与すると考えられた．

研究成果

• [雑誌論文] Reduction in Pathogen Populations at Grapevine Wound Sites is Associated with the Mechanism Underlying the Biological Control of Crown Gall by <i>Rhizobium vitis</i> Strain ARK-1 (2014)
  • 著者名/発表者名: Akira Kawaguchi
  • 雑誌名: Ｍｉｃｒｏｂｅｓ ａｎｄ ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔｓ 巻: 29 号: 3 ページ: 296-302
  • DOI: 10.1264/jsme2.ME14059
  • NAID: 130004677522
  • ISSN: 1342-6311, 1347-4405
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Biological Control of Crown Gall on Grapevine and Root Colonization by Nonpathogenic <i>Rhizobium vitis</i> Strain ARK-1 (2013)
  • 著者名/発表者名: Akira Kawaguchi
  • 雑誌名: Ｍｉｃｒｏｂｅｓ ａｎｄ ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔｓ 巻: 28 号: 3 ページ: 306-311
  • DOI: 10.1264/jsme2.ME13014
  • NAID: 10031191413
  • ISSN: 1342-6311, 1347-4405
  • 査読あり
• [雑誌論文] ブドウ根頭がんしゅ病の拮抗細菌および生物的防除法 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 雑誌名: JATAFFジャーナル 巻: 1 ページ: 4-6
  • NAID: 10031152130
• [雑誌論文] ブドウ根頭がんしゅ病の生物防除技術の新展開 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 雑誌名: 果実日本 巻: 68 ページ: 49-52
• [学会発表] 土壌病害ブドウ根頭がんしゅ病の生物的防除法の開発 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 学会等名: 環境微生物系学会合同大会2014
  • 発表場所: 静岡県浜松市 浜松コンベンションセンター
  • 年月日: 2014-10-23
  • 招待講演
• [学会発表] 非病原性Rhizobium vitis ARK-1株はブドウ根頭がんしゅ病菌のvir領域の発現と菌数の増加を抑制する (2014)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 学会等名: 日本植物病理学会関西部会
  • 発表場所: 富山県富山市 富山大学
  • 年月日: 2014-09-27 – 2014-09-28
• [学会発表] Reduction of pathogen populations at grapevine wound sites is associated with the mechanism of biological control of crown gall by Agrobacterium vitis strain ARK-1 (2014)
  • 著者名/発表者名: Akira Kawaguchi
  • 学会等名: American Society of Phypathology Anuual Meeting
  • 発表場所: アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス
  • 年月日: 2014-08-09 – 2014-08-13
• [学会発表] ブドウ根頭がんしゅ病に対する生物防除 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 学会等名: 日本植物病理学会バイオコントロール研究会
  • 発表場所: 北海道札幌市 北海道大学
  • 年月日: 2014-06-05
  • 招待講演
• [学会発表] ）メタアナリシスを用いたブドウ根頭がんしゅ病の生物防除試験の評価 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 学会等名: 日本土壌微生物学会
  • 発表場所: 東京農工大学
• [学会発表] Biological control of crown gall on grape and root colonization by nonpathogenic Agrobacterium (Rhizobium) vitis strain ARK-1 (2013)
  • 著者名/発表者名: Akira Kawaguchi
  • 学会等名: APS-MSA Joint Meeting
  • 発表場所: アメリカ合衆国テキサス州オースティン
• [学会発表] ブドウ根頭がんしゅ病の新しい生物防除技術の開発 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川口 章
  • 学会等名: 日本ブドウ・ワイン学会大会
  • 発表場所: 山梨大学