研究課題/領域番号 |
25860070
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
古田 大祐 立命館大学, 薬学部, 助手 (50584033)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2014年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2013年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脂質メディエーター |
研究概要 |
GPR174およびP2Y10受容体の機能解析を行うため、これらの受容体間でキメラ遺伝子を作製し、それらの発現細胞の細胞形態、増殖速度および受容体応答を比較検討した。細胞内ループ部分をGPR174の配列と入れ換えたP2Y10キメラ遺伝子を発現した細胞では、野生型P2Y10遺伝子発現細胞と比較して細胞増殖の遅延が認められた。また、野生型ではLPAによるCa2+応答が観察されたが、キメラ型ではLPAによるCa2+応答は消失した。さらに、LysoPSを含む他のリゾリン脂質によるCa2+応答は認められなかった。これらのことから、P2Y10受容体にはLPAがリガンドとして作用することが再確認でき、キメラ受容体におけるGPR174の細胞内ループは、野生型のGPR174同様、恒常的にGタンパク質を活性化させることが示唆された。 一方、GPR87の受容体機能解析においては、内在性にGPR87を発現するヒト皮膚扁平上皮ガン由来のA431細胞を用いて解析した。その結果、LPAにより誘導される移動能獲得を伴うA431細胞の形態変化には、GPR87およびLPA1受容体が関与することを見出すことができた(Eur. J. Pharmacol, 2013)。当該の細胞内シグナル伝達ではMAPKsやAktのリン酸化が検出できたが、これらはEGFRのトランス活性化を経由していることが明らかとなった。いずれもGPR87およびLPA1受容体の活性化による応答であったが、これら二つの受容体のシグナル伝達に差異を見つけることはできなかった。A431細胞において観察された細胞移動はGPR87を含むLPA受容体の活性化により惹起された上皮間葉転換に起因すると考えられるが、近年、癌の転移・浸潤による悪性化は上皮間葉転換を伴うと考えられていることから、GPR87の高発現が癌の悪性化に深く関与することが考えられる。
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