研究課題
若手研究(B)
ヒトにおける薬物代謝を予測するには、薬物代謝酵素の活性などの肝細胞機能を長期間保持したヒト肝細胞培養系が必要である。しかし、生体外から分離された肝細胞の薬物代謝酵素は、分離数日後にほぼ消失する。そのため、薬物代謝酵素活性などを高いレベルで保持したヒト肝細胞培養系が必要である。本研究では、凍結ヒト肝細胞からヒト肝前駆細胞を分離し、ゲル内で内皮細胞と共培養を行い、肝小葉を模倣した培養系を構築して肝細胞機能について調べた。ゲル内ではヒト肝前駆細胞はスフェロイドを形成し、平面培養よりも高い肝細胞機能を示した。また、内皮細胞の培養上清を加えた培養系では、薬物代謝酵素活性が上昇した。